離婚してから始まる恋~念願かなって離婚したら、元夫が私を追いかけて辺境までやってきました~

「この離縁については陛下からも承認いただきましたし、私の祖国を含め他国にも知られていることです。今さら無かったことになどできませんわ。」
「あぁ、そうだね。」
粘ってくるかと思いきや、
あっさりと引き下がるので
一体どうしたいんだとますます混乱してしまう。

「国には王妃の想い人もいるのだろうか?古い友人に会いたいと言っていたが。」
「(なんで突然そんなこと聞くの?)そんな人・・・いませんわ。フィオルガルデ連邦にはたくさんの魅力的な自治国家がございますから、ゆっくり旅をしてみたいと思っております。」
エレオノールは嘘をついた。
アルドヴァール大公国の隣に位置するドレシア公国に、
エレオノールの初恋の人であるライガンがいた。
腕っぷしが強く家族思いのライガンに
エレオノールはずっと恋をしていたのだ。
結婚するならライガンが良いなと
家族にも言わずにずっと胸に秘めていたが、
突然エドリックとの結婚が決まり、
その思いを打ち明けることなく
エレオノールはヴァリニア王国にやって来たのだった。

エレオノールの嘘を見透かすかのように
エドリックはじっとエレオノールを見つめていたが
フッと視線を外すと
何も言うことなく部屋をあとにした。