離婚してから始まる恋~念願かなって離婚したら、元夫が私を追いかけて辺境までやってきました~

よくよく振り返ってみると、
エレオノールはエドリックのことを
今まで名前で呼んだことがない。
ずっと「陛下」と呼んでいたからだ。
それが名前を一足飛びにして愛称で呼ぶなんて。

「ほら、呼んでごらん。」
「・・・エ、エディ」
「うん。何、ノーラ?」

エドリックはこんなに甘い男だっただろうか?
一応、目の前の人とは3年も夫婦をやっていたのだ。
無口で無表情で、でも顔だけは無駄に良い
マネキンのような人だと思っていたあの頃の自分に
今のこの人を見せてやりたい。

「ノーラは明日はどんな衣装なの?」
いちいち緊張するエレオノールと対照的に、
エドリックはごくごく自然に
エレオノールを愛称で呼ぶ。
「スカイブルーのドレスを用意しているわ。」
「そうか。君にとっても似合うだろうね。」
エドリックは少し目を細め、
どこともない遠くを見つめた。
「私たちの離婚が決まって、君が王妃として出席した最後の公務があるだろう。その時のノーラはいつもと化粧もドレスも違ってとても華やかな出で立ちをしていた。背が高いからドレスも完璧に着こなしているし、立ち居振る舞いも王妃の貫禄が備わって堂々としていて、衝撃を受けたんだ。今まで自分の隣りに立っていた人はこんなにも美しい人だったんだって。」