深掘りされないなら好都合だ。
よし、このまま帰ってやろう。おーちゃんを送り出したらカイの護衛だ。
「ってことで、じゃあまた…」
「リンが儚いのは、みんな知ってるよ。」
私の言葉を遮って、レンが何かを言っている。
私が儚いと。そしてそれをみんな知ってると。まずみんなって誰だよ。
「儚さは妥当な表現だね。言われたこともあるし自分で思ったこともある。良い意味じゃないけどね。」
「うん。」
「別に私にはどうでも良いよ。どうせこれからも変わらないし。」
「…変わらない?」
変わらない。変えたくない。
変わってはいけない。
「リンは、ちゃんと変われてるよ。」
「っそんなこと…。」
どうして?
「リンは、強くなった。」
ずっとずっと。
ハルにそう言われたいと思ってた。認めてもらいたいと思ってた。
たったそれだけの、そんな言葉を。
「な…んで…。」
私が欲していると。
レンはどうして分かったの。
「大丈夫だよ。みんな分かってる。」
「…さっきから、みんなって誰。」
「リンのことを大切に想ってるみんな。」
そうなの、かな。
ハルも、そう思ってくれてるのかな。
ハルはいつだって、私の欲しい言葉だけはくれない。
「…私は職場に戻るよ。レン、トキとおーちゃんよろしくね。何かあったら飛んで行くから。」
「大丈夫。何も起こらないから、リンは戻ったら少し寝なさい。」
こつんと、頭を小突かれる。
綺麗に笑うレンの顔は、やっぱり綺麗で。紺碧の瞳が尚も輝いている。
「素敵…。」
「え?」
「…ん?あ、ごめんっ。」
思わず心の声が漏れ出てしまった。
何てマヌケなことをしているんだ私!?
「…巻き込まれたついでに、リンの見送りもらってもいい?」
「え、行ってらっしゃい?」
「のキスして?」
「……。」
要は行ってらっしゃいのチューが欲しいと。

