「…謝るより、もう一つ褒美をくれ。」
「え?」
「それで俺は不眠になれる。」
「…ならないでよ。何のご褒美がいいの?」
まだ灯りはないのに、ハルが私を抱き抱えて部屋の中を歩いて一点で立ち止まる。
ふかふかした感触で寝台に降ろされたことは理解出来た。
「ハルすごいね。私何にも見えないよ。」
「勘だ。」
ハルの直感凄いな。
そこで、寝台に降ろされた私からハルが離れるのが何となく分かった。
「どこ行くの?」
「灯り探す。」
「あ、ごめん。私実は灯り付けれる。」
炎属性なもので。
本当はいつでも付けられました。
「あーそうだったな。」
なら付けなくていいかと、ハルが戻って来た。
だけど別に私に付けろとは言わない。
「城のことは明日だな。」
「…うん。」
「マジですまん。リンにやらせようなんて本当に思ってなかったんだ。」
「分かってるよ。」
そんなつもりじゃないことくらい分かってる。
悪気があったわけでもないことも知ってる。
「嫌いになるのは勘弁してくれ。褒美はそれでいい。」
「そんなの…。」
なりたくないし。
きっと、なりたくてもなれないし。
「お前に嫌われるのだけは嫌だ。絶交は嫌だ。口聞いてくれねえのも嫌だ。」
「…うん。」
「よし。リン寝るか?」
「眠たく、ない。」
「…うるせえルイも居ねえし。今日くらい夜更かしするか。」
「えっ?」
途端私はまた抱えられる。
「何も見ねえから、ちょっとだけ照らしてくれ。」
「っ…。」
私は指先に、小さく炎を灯す。
たぶん足元くらいしか照らせない程の火力。自信のなさが大いに出ている。面目ない。

