全く意識してませんでした。
完全なる無意識でした。
でも、間違いではない。恋愛的なことは置いといて。私はアキトの人間性が結構好きです。
「ルイにも言われたが、俺も油断は出来ねえな。」
「るうに何言われたの?」
「椅子取りゲームの話だ。」
「うん?」
え、何それ楽しそう。
「飛ばすぞ。」
「うんっ!」
そこからスピードを上げ、ソルから奪った土地へ向かう。
思えばハルと遠出なんて本当に初めてで。
てか私の場合、基本誰とでも初めてなんだけど。
こんな風にハルと世界を駆け抜けること。
それは正しく私が描いている夢の一片のようで。
「…夢みたい。」
「夢?」
「終わらない夢だといいのにね。」
こんなことを、日常に変えたい。
夢で終わらせたくない。
「お前は考えまで可愛いから困る。」
「…ハルさ、他所の皆さんの前でそれ言うの良い加減やめようね?」
「可愛いリンに可愛いと言って何が悪い。」
「将印だって見た人皆んな困ってたし。」
兄馬鹿で済む域を超えているから周りが困惑し、それを受けて私も困惑するんだが。
分かってもらえないなと諦めに入った私を、さらに抱き寄せる。
「俺は、お前がここにいること以外に興味はねえ。」
「…知ってるけど。」
「だからお前が俺以外の奴を大事にしてえ気持ちは、俺には分からん。」
「だろうねー。」
それは相容れないものなんだろう。
私とハルは、本当に兄妹かと思うほど似てないし。
「けど、俺はリンが大事にしてえもんは全部守りてえ。」
ハルは強いから。
それを叶えられるだけの力は既に持ってる。本人がその気にならないだけで。
「男は別だがな。」
「そ、そっか。」
「それで良いなら俺に全部任せろ。」
そう言って頼もしく笑う。
これだから、ハルが好きで堪らない。

