ハルの視線の先には、もちろん桜の将印。
そして一緒にしていた椿の将印を、私は失念してそのまま出しっぱなしにしていた。
「…セザールだな。」
「…だね。」
「何受け取ってんだよ!?」
「ちゃんと断ったよ!?」
しっかりまた将印は見えないように仕舞い込んで。
アキトから将印を受け取ることになった経緯をハルに丁寧に説明をした。
「お前よっぽど気に入ったんだな。」
「わ、私が?」
「そうじゃねえとお前は意地でも受け取らねえだろ。俺じゃねえんだから。」
「…初めて会った時から、アキトにはどうも気が緩むと言うか。ハルの感じに似てて困るんだよー。」
それにしても、ハルもアキトをそこまで嫌悪しない辺りを見ると。
やっぱり気も合うんだな、ハルとアキト。
「アキトは本当にハルが大好きなんだよ。」
「嬉しくねえよ。」
「ハルみたいになりたいんだって。」
「高望みだな。」
高望み…かな。
私はアキトはたぶんハルに近いところまで昇って行ける将軍の器だと思っていたけど。
「アキトって伸び代しかなくない?見てて楽しくならない?」
「あーそっちか。単なる強さの話なら、お前の言いたいことも分からんでもないが。」
「他に何があったの?」
「…はぁ。」
うわ、やな感じだ。
馬鹿にされてる感じだ。
「お前に関して、俺を目指すのは無理だと思っただけだ。」
「でもアキトは再来世まで粘るんだって。」
「…なるほどな。」
この時ハルは、見たことがない顔をしていた。
嬉しそうでもあり、怖そうでもあり、だけどまたその奥に内なる闘志が燃え上がっている。
「ハルもアキト好き?」
「…ハルもって何だよ。お前が好きなの前提か。」
「あ、ほんとだ。」

