「あ、るう。エゼルタ行く時の注文なんだけどさー。」
「…注文?」
「うん。練習しておいて欲しいことがあるの。」
「は?練習?」
仮にも王城ですからね。ここもですが。
敵地なので。嫁ぎに行ったセザールの時とも少し事情が違うもので。
「私を真綿で包むように大事に大事に守る。そんなイメージで練習よろしくー。」
「…いつもやってんだろ。」
「何だその得しかねえ練習は!?」
ハルうるさいな。
そしてるうがいつもやってると言うが。
「いつものじゃ足りない。ハルまで行くとウザいから、その一歩手前くらいで。」
「う、ウザい!?」
「足りない…いつもので足りない…。」
何故かそれぞれ落ち込んだ。
マジでどこまで仲良いんだよこの二人。
「城中煽りに煽り倒すけど、私の戦力あんまり当てにしないでほしいの。だからしっかり守ってね。」
「じゃあ煽るなよ。」
「ルイ、不安なら今からでも代われ!?」
「代わらねえ。」
おっと、放っておいたらまた喧嘩に発展しそうだ。
「あの…」
「代われよ!俺が行った方が効率的にリンを守れるだろうが!」
「お前が効率とか言うな。意味分かってんのか。」
「それくらい分かるに決まってんだろ!?馬鹿にしてんのか!?」
「今頃気付いたのか。」
「よし、殺す。今すぐ殺す。」
私の声掛けも虚しく、始まってしまった喧嘩。
困ったもんだなー。
「っあの…!」
「「…どうした?」」
とりあえず言い合いを止まさせたくて、少し声を張ると二人して私に心配の目を向ける。
「…今日は…仲良く、三人で寝たいなーなんて。考えてたんだけど…。」
「「……。」」
「だ、だめ…かな…?」
ダメなわけがないことは知っている。
その証拠に、ハルがまた目を抑えて涙を堪えてるし。るうが壁一直線にごっつんの儀式を始めた。
「まず風呂だな。準備するからちょっと待ってろ。」
「俺も風呂行ってくる。」
各々落ち着くと、またこちらに視線を戻して動き始める。

