ガタンガタンと揺れる馬車。
眠る私を大事にしっかり抱き抱えたままのハルと、それを見守るるうと。アレンデールへ向かっています。
「……可愛い。」
「……。」
「……あー可愛い。」
「……。」
眠る私を見つめては、永遠に迷惑な呟きを聞かされるるうは最早無視を突き通す。
きっと、馬鹿すぎて言葉が出ないんです。
そんな馬鹿げた時間をアレンデール到着まで強いられたるうは、本当に可哀想なものだ。
「リン隠せ。」
「…自分の国に帰るだけを、わざわざ隠さなきゃならねえとはな。」
それはるうも同じ思いだが。
名目は追放である以上、公に堂々と城へ帰るわけにはいかないのです。
「さっさと風呂入って治療して飯食い終わってから部屋に来い。」
「俺は餓鬼じゃねえんだよ。」
「お前等は餓鬼でも出来ることが出来ねえから言ってんだよ。」
「……。」
ハルも私も、きっとるうには一生勝てません。
私をまた外套で覆い抱えて馬車から降りると、民からの勝利の祝福が迎える。
歓声が響く中を太々しく歩くハル。
そして横で私が起きないか心配するるう。
「ハル様おめでとうございます!!!」
「流石はハル様!見事な勝利!アレンデールの英雄だ!!!」
そんな有り難い言葉にも聞く耳持たず。
「ハル様お怪我をっ…!?」
「ああ、我々のために何と言うことだ…。」
そんな心配の声にも顔色一つ変えず。
「腕に抱えているのは誰だ!?」
「まさか例の将印を賜った女性では!?」
「世界一の美女と噂されるお方か!?」
「まさか勝利の祝いに加えて祝言を!?」
ここでようやく、ハルは足を止める。
「祝言…。」
「おいコラ、変なこと言うなよ。」

