当時、パルテノン第一将だったヒマリさん。
それを討ったのが、現ソル第一将。リュウキと言う男。
私も世間もまだ知らないが、あのハルでさえ討ち倒すことが出来なかった男。
「確かにな。」
「もしそんなことになったら、俺将軍辞めるわ。」
「…辞めて働き口どうすんねん。」
「雇ったるって言うてくれてもええやん。」
可愛いおーちゃんが、カイを睨んでぶすっとするけど。
今日のカイは折れない。
「そんな腑抜けいらんわ。」
「…今日厳しいな。」
「そうならんように、ほんまに死ぬ気で守り。その時は俺より優先せなあかん、大事な子なんやから。」
「…カイより優先、か。」
「今更出来ひんとか言うなよ。」
「言うてへんやろ。」
おーちゃんが四六時中護衛をしているカイが、自分よりも私を優先して動けと言った。
その重みを、おーちゃんは受け止める。
「俺と同じ轍は踏まんようにな。」
「…後悔すなって話やろ。」
「分かっとるやん。」
「知っとるよ。カイがお嬢のおかん好きやったんも、娘のお嬢大事にしたいのも。」
昔のカイの恋愛。
後悔の滲むその恋は実ることはなく、それでも娘である私さえも大事に想うカイの器は相当なものだ。
「ほんまなら俺の娘でもおかしないもんな?」
「それはおかしいやろ。」
「何やねん、そこはのれや。てかお前それ誰に聞いたん。」
「ワカ。」
口の軽いワカさんに頭を悩ませつつも、カイは苦く笑うしかなく。
「いつ聞いたん?」
「お嬢がここで働き始めて少ししてから。」
「結構前やんけ。言えや。」
「俺別にカイの恋愛に興味ないし。」
「誰が興味持て言うてん。普通に聞いたでーくらい言えや。」
「どうでも良すぎて忘れとったし。」
「もうええわ。」
そんな軽快な会話をして、二人はアレンデールへ帰国した私の帰りを待つこととなった。

