「鬼人に質問してもいい?」
「あ?誰だてめえ。」
そこに質問したいと手を挙げたトキ。
そんなトキに悪態を付くので私がハルを怒る。
「ハル、トキに意地悪しちゃダメ。絶対にダメ。」
「…質問を許可する。」
トキに悪態なんて、その後こっちにとばっちりが来ることが目に見えているんですもの。怖いんですもの。
ハルはそれを知らないので偉そうだが。
「ルイを援軍に呼んだのってリンを探すためだったの?」
「俺の辞書に援軍の文字はない。」
「…トキ、相手にすんな。確かに援軍のつもりで俺も行ってねえけど。」
「じゃあ何のつもりだったの?」
「俺はただ一秒でも早くリンに会える手を打っただけだ。戦術的勝利だ。」
それを戦術だと言うのは止めて欲しい。
仮にも至高の軍師の目の前で。我が兄ながら恥ずかしい。
「あ、るうコーヒー。」
「…ちょっとカウンター借りるぞ。」
私がコーヒーを注文すると、カイに一言伝えてカウンターに入ったるう。
慣れた手際で素早くコーヒーを淹れる。
「リン、お前は俺から離れるな。」
「…私別にどこにも行かないけど。」
「俺が無理だ。」
ハルが我が儘ばっかり言うので、仕方なく私はハルの隣に座る。
隣に座って、ハルを見ると。
これがどうして。
こんなことが堪らなく嬉しいと思った。
「何だよ。」
「…変な感じだなって思ったけど。」
「あ?」
「他の国で、ハルの隣にいるのも嬉しい。」
感じたことをそのまま伝えると、ハルは何故か目を押さえる。
「ルイ手拭いをくれ。」
「雑巾で良いだろ。」
「あーもうそれで良い。俺のリンが可愛すぎて泣けてくる。」
「勝手に泣いてろ。」
もう周りはドン引き。
アキト以外。
「あー。リンもう一回言って。」
「もうやだ。」
ハルは最初こそ渋っていたものの、入ってしまえば完全に落ち着いていて。
カイに飲み物も貰って大人しくなった。
「ねえねえ、あの超攻撃型布陣の話も聞きたいんだけど。」
「お前さっきから何だよ。」
「見たことない布陣だし、アキトにも応用出来ないかなって思ってるんだよね。」
トキは初めて会うハルに、意外にもアキトより興味津々で。
その戦略を聞きたいとハルに頼む。
「俺は置きたいところに置いてるだけだ。どの布陣か分からん。」
「…頭の出来もアキトと同じか。」
「この腹立つ会話、誰かと昔もした気がする。」
険しい顔のハルに私は教えてあげる。
「それシオンじゃない?トキのお兄さんだよ?」
「…シオンの、弟?」

