アキトは私の考えを読み取れる。
だから思ったことを素直に話している。
「剣を取れば何かを守って、策を練れば何かを繋いで、そこにリンの意思はねえよ。」
「……。」
「それを強引に開くなよ。また泣くから。」
「…ほんま難儀な奴やわ。」
アキトは遠くを見たままのおーちゃんに目を据える。
「惚れた女のことを、何でわざわざ俺に聞いたんだあ?」
「…“お友達”なら詳しいかな思て?」
「よーし、久々に腕が鳴るなあ。」
「あんま怒り立つなや。別に俺、横取りしよ何て思てへんから。」
新たな矛を掌に、既に構えに入ったアキト。
おーちゃんも渋々剣を抜く。
「戦嫌いの瞬兎とやれる日が来るとはなあ。」
「お嬢の前では言わんかったけど、鬼人が戦ったソルの第一将。たぶん鬼人も討ててへんから。」
「はあ!?」
「あれがお嬢を付け狙っとる内は、誰かが守るしかないねん。」
「…シオンも似たようなこと言ってたなあ。」
ここでも、またシオン。
あの先を見通す目は本当に凄いもので。おーちゃんはやはり話がしたいとより思うことになった。
「守りは多い方がええからな。」
「あ?」
「力任せな腕やけど、まだまだ伸び代やん。頑張りや。」
アキトを翻弄して躱しきって。
涼しい顔でけちょんけちょんにしたおーちゃん。
「ああ!?見えねえ!?」
「やたらお嬢が懐いとったけど、何したん?」
「懐かれてねえよ!あれは…っ!」
「あれは?」
双方武器を収め、アキトはバツが悪そうに呟いた。
「…ただの、人違いだ。」
「人違い?」
「とりあえず明日もう一戦頼む!もうちょいで見えそう何だよ!!」
「…ま、暇やったらな。」
おーちゃんは収穫があったのかなかったのか、微妙なところだがカイの待つ店内に戻り。
アキトもトキと私が先に向かった宿へ向かう。

