「…なあ、お嬢?」
「んー?」
「俺はたぶん、もうとっくに手遅れやったんやと思うねん。」
「手遅れ?」
何が手遅れ?私また何かしたか?
「世界規模の争奪戦なんてしんどそうやん。しかも相手は粒揃い。面倒極まりないわ。」
「世界…の争奪?どっかの領土?」
「出遅れたことは言うまでもないし。勝てる気もせえへんな。」
「え、何?戦?」
戦に行ってしまうのか?
私の稽古は?
思わずおーちゃんから離れて詳細を聞きたいと、ちゃんと顔を見てみる。
「っ。」
一瞬、誰だか分からないくらい。
おーちゃんから可愛いが消えていて、その真剣な顔が、大人びて格好良く見えた。
「やっぱまだ足りひんから。」
「へ?」
「直接教えてくれへん?」
「な、にを…っ!?」
ちゅっと。
私の瞼におーちゃんの唇が触れる。
「泣いとるお嬢も可愛かったけど、もう泣き止み。」
「は…?」
「ほんで?お嬢は何が好きなん?」
「好き…?」
「せやな、好きやで。」
鸚鵡返ししただけで、そうじゃなくて。
あ、え?
…うん!?!?
「…ちょっと待って。話が噛み合ってない気がする。」
「あ、そうや。」
冷静になって落ち着いて考えて話したいのに、おーちゃんがまた私の身体をグイッと引き寄せる。
「ちょっ…!」
「こんな真冬に髪の毛濡れたままやと風邪引くやん。」
「だ、大丈夫。今はいいの。それより早くご飯食べよ。それがいいと思う。」
「先食べ。お嬢体弱いって王子が言うてたやろ。気付けな。」
そんなこといいよ!!!
風邪引いても今は別に気にならないよ!!!

