「お兄ちゃんなんだからちゃんと聞き分けてよ。」
「知りません。」
「周りが困ってるから。」
「…貴女も?」
そう言われると。
そうなんだけど、そうだと言うのは酷なのか?
「シオンにもお手紙書いてあげるから、ね?今日はお家に帰ろ?」
「いりません。」
「トキ無理だよー。私の言うことも聞いてくれないよー。」
面倒でトキに丸投げ。
丸投げしようと…思ったのに。
「な…、んっ…!?」
トキに向いた私の頭を、非常に強引に。
グイッと自分の方へ向け、何をとち狂ったのか唇を奪われる緊急事態。
どいつもこいつも!!!
羞恥心の持ち合わせないんですか!!!
「…その顔ムカつく。」
「は…?」
キスまでしといて、今度は顔がムカつくと言われる。
…もう流石にブチギレ案件ですよね。
「焚き付けた責任は取ります。」
「……。」
「元々この戦勧めたの俺なんで。」
「……。」
「瀕死で良ければ貴女の元にちゃんと帰しますよ。」
ハルの話なんだろう。
別にシオンに責任ないし、何故瀕死なのかは知らないけど。
「今の論点そこじゃないからっ!!!」
「じゃあどこ。」
「きっ…〜っ!!!」
どう考えてもこんな人前で、弟であるトキの前で、恥も知らずにキスしたことを怒りたいのに。
私だけが恥ずかしくて顔も上げられなくなる。

