落とさせた城自体が、そこにハルを誘い込む罠だったんではないかと私も思った。
「もう…。下調べもせずに焦って進軍するからこうなるんだよー。ハルの馬鹿。」
「じゃあ状況ヤバいん?」
「…ハルなら何とかすると思うけど。」
嘘ではなくて。
本当に、ハルならきっと軽々突破出来る罠だと思う。
「あと、得意先から来店予約入ったで。」
「うん?」
「軍師兄弟。いつもよりタイミングかなり早いけど、これもお嬢効果やろか。」
つまり。
シオンとトキがお客さんとしてお店に来る。
「…ヤバい!それいつ!?」
「明後日やな。オウスケも明日には帰って来るけど、お嬢はどないする?」
「うっ…。」
出来ることならまだ会いたくない。
しかし避けていても仕方ない。
「そんなに悩む程のこと白狼にされたん?」
「問題はシオンじゃなくて…。どうしよう。カイお金貸してくれない!?」
「金?」
「…トキに仲直りの賄賂、準備しなきゃ。」
とりあえず、二人の来店予約は可として通してもらって。
私はカイにお金を借りて、カイと一緒に街でトキへのお菓子を大量に買い込んだ。
どうにか、ディオン攻略を妨害したことを許してもらわねば。
「開店前に付き合わせてごめんね!」
「気にせんでええよー。お嬢と買い物行けて俺も楽しんだし。」
「お金も適当に私の仕事分から引いててね!」
「お嬢まだ報酬一回も渡してへんのに、よー働いてくれるから俺は助かるわ。」
元からそう言う契約だし。
一ヶ月分のお給料で寧ろ悪いとさえ思ってる。
「こんな災いの火種を拾ってくれて、置いてくれてるだけでも私は感謝してるの。」
「…安いもんやて。」
「安いか高いか、その辺の金銭感覚はまだ覚えられないけど。そろそろ私も情報の扱い方、分かってきたよー。」
「風雲児になるんやったっけ?」
そう言って、楽しそうに笑うカイ。
「うん。そろそろ私、世界を動かしたいと思ってる。」
情報は武器になる。
使い方次第。使う人次第。あとはタイミングと、誰に使うか。

