私はどうしてしまったのか。
本来なら拒まなきゃいけない。お互いのために。
分かってるのに…。
「リン?」
私からレンに手を伸ばした。
こんな自分を見られたくなくて、情けない顔を晒したくなくて。
ぎゅっとしがみ付くと、レンは逆に固まる。
「あんまり可愛いことしないで。」
「っだ、だって…!」
「…もう、リンは本当に俺をどうしたいの。」
どうしたいんだろう。
私にも分からない。
「れ、ん…ごめん。」
「え?」
それでも、今だけは…どうか。
「…離さないで。」
困らせるって分かってる。
矛盾してるのも分かってる。
無責任なのも分かってる。
「リン…大丈夫?」
「…大丈夫…じゃない。」
せっかくの線を、打ち破って。
この部屋にあんな強いお酒を置いていたレンが悪いと、思わせていてほしい。
「なんか、もう…変かもしれない。」
「…そっか。」
レンにしがみ付いたままの私を、レンがぎゅっと抱きしめ直す。
「俺の力じゃないね。」
「へ?」
「リンに芽生え出してるその感情は、リンの周りにいる人達が目覚めさせたものだよ。」
「…?」
私の感情は目覚めさせられたの?
周りにいる人達って?
「あまりの可愛さに我を失うのを通り越して、冷静になってきた。」
どれが可愛いのかは疑問だが、それは良かった。
実はもう、恥ずかしくてどうにかなりそうだったんです。
「リン。」
その声が。
その瞳が。
どうも私を縛り付けているようだ。
「おやすみ。」
「っ…。」
ひんやりとしたレンの手が、いつかを思い出すように私の瞼に触れる。
昂る感情全てが、解けていくのが分かる。

