宣言通り。
本当に頭がおかしくなったのか、十回のキスを本気でやりやがったレン。
「もっ…許して…っ。」
「…うん。」
ふわりと私を持ち上げて今度は椅子に座らせたレン。
「食事にしようか。何か頼んでくるから大人しくしててね。」
「…いらない。」
「食べやすい物にするから。」
こんな心境で、こんな体調で。
食欲なんか湧くわけないじゃん!!!
そんな私の心の叫びは届かず、返事も聞かず、レンは部屋を出て行ってしまう。
「…あー…どうしよ。」
私はこのままどうなるんでしょう。
甘い甘いレンの前で、私は為す術もなく風邪が治るまでこのままなのでしょうか。
…身体の熱は全然冷めそうにない。
こんな状況、はっきり言って困る。
そう。
私は困っている。
それなのに。
…離れたくない、なんて。
私はどうかしてる。熱に侵されすぎてる。
「病は気から…だ。」
気持ちの問題だ。
気をしっかり持て!私!!!
城の女官にでも頂戴したのか、食事を持ってレンが帰ってきた。
「落ち着いた?」
「…誰のせいだと思ってんの。」
「ごめんごめん。林檎好きだったよね?食べられそう?」
「…食べる。」
レンが私の食の好みを把握しているのは、るうが話したのを覚えていたんだろう。
そんな些細なことを良く覚えてるな。
「ところでリンは今どこに住んでるの?」
「パルテノン。」
「一人暮らし…なわけないよね。」
「住み込みで働いてるのー。」
林檎を食べながら質問タイムが始まった。
「え、リン仕事してるの?」
「…顔に失礼が出てるよー。最近始めたばっかりで、まだあんまり役に立ててないけどねー。」
「何の仕事なの?」
「…飲食店。」
嘘ではない。
断じて嘘ではない。
別に情報屋だと明かしてもいいんだけど。説明が面倒なんだよね。

