何となく、レンに許してもらえた気がした。
「もう逃げないよ。」
「怪我したらちゃんと来る?」
「来る来る。」
「怪我してなくても来る?」
「それは状況による。」
私が正直に打ち明けると、それはそれでムッとするレン。
今はカイの仕事の関係で私が自由に動きすぎると、儲け話に穴が開く可能性がある。
「あ、でも私もレンに予定聞きたかったの。」
「予定?」
「どこかのタイミングで一週間くらい城離れられないかな?」
「どうして?」
もうかなり昔にも感じてしまうが。
王宮で話した何気ない会話を、私は忘れてはいない。
「一緒にお出掛けしたいなって。」
「…俺と?」
「無理にとは言わないし、レンのお仕事落ち着いてからでも大丈夫だよ。」
レンは目をパチパチと。
信じられないと言わんばかりに瞬きを繰り返す。私が誘うのがそんなに変か。
「どこに行くの?」
「イグアート。」
目的地を伝えるとレンはまた目を大きくする。
「…やっぱりずるい。」
そう言って、私はまたレンの腕の中に閉じ込められる。
「ダメ?」
「ダメなわけないよ。寧ろリンはあの場所に一人で行っちゃダメ。」
「そうなの?」
「…今は特にね。色んな病気が流行ってるみたいだから、リンが行くとすぐに感染すると思う。」
え、そうなの?
それはちょっと怖いです。体調不良確定なのは流石に気が臆します。
「行くのマズい…かな?」
「…俺が一緒に行っても安全は保障してあげられないけど、大丈夫だよ。仮に感染しても対処するね。」
「じゃあ行こう!」
「うん。リンと外泊なんて夢みたいだね。」
大袈裟だと言いたいが。
私もまだ自由になって間もないので、その気持ちは分かる気がする。
「私は雨について調べてみたいから、退屈させちゃったらごめんね。」
「リンといて退屈だと思ったことないよ。」
「あ…うん。ありがと。」
「それに今は嬉しすぎてどうにかなりそう。」
そ、それは大変だ。
どうにもならないでください。

