おーちゃんの足が止まる。
止まるから私の足も自然に止まる。
「…お嬢は二つ目やろ。」
「うん。」
「俺は一つ目が理想やけど、それやと周りが迷惑するっちゅー話やな。」
「そうだね。実際カイがかなり心配してる。」
私はおーちゃんとヒマリさんの関係を見たわけじゃないし、恋愛経験もないので良く分からないけど。
最近一緒に過ごしていたサクとハナちゃんだと仮定すれば、それはそれは悲しいことだろうと想像しやすい。
「三つ目は俺の選択肢にはないな。そんなんしたら向こうでヒマリに怒られる。」
「じゃあ二択だね。」
「…けど…二つ目は、俺を守ろうとしてくれる人なんておれへんし。」
相変わらず立ち止まったままのおーちゃんに、手を差し出す。
「いないっけ?」
「……。」
「私も引き上げる側やったことないから手探りだし、やや強引でも良ければ。恐れ多いけど。」
「……アホか。」
プイッとそっぽ向いたおーちゃん。
ですよねー。
そりゃ年下のちんちくりんにそんなこと言われたって、何言ってるんだって話ですよねー。
「二つ目の選択肢を叶えてくれる人に、その内出会えるといいね。」
私は差し出した手を引っ込めて再び歩き出す。
「…そんなんいらん。」
「っ…。」
後ろから、そっと繋がれた手。
「…か、可愛すぎません?」
「お嬢に言われたないわ!!!」
照れながらも私の手を取ってくれたおーちゃんに思わず内心悶え苦しむ私。
可愛すぎるって!!!
けど、こうして選んでくれた以上。
私はどうにかおーちゃんを、その地獄の底から引き上げてみる方法を探して行こうと決めた。

