「これなら文句ないでしょ?」
「ないない。全く問題なしや。ワカおおきに。」
誇らしげに綺麗に微笑んだワカさんは、本当にこのためだけに来たようで。
すぐにまた出て行ってしまった。
「カイ、私毎回こんな感じなの!?」
「めちゃくちゃ似合ってるで。可愛すぎてちょっと心配なくらいや。元からやけど。」
「…それは喜んでいいの?」
今子供扱いされるのを嫌うおーちゃんの気持ちが良く分かる。
これ何か、結構嫌な気分だね!?
カウンターに座って膨れる私を、カイが褒めて褒めて宥めつつ開店準備に追われている中。
私にとっては初めてのお客さんが来店。
「カイさーん……え?」
「おー、兄ちゃん久しいなー。適当に座りー。」
「…び、美少女だ。」
「とりあえず座りって。いつものでええ?」
入店後、早々に私を見て固まる男性客。
至っていつも通りのカイ。
「カイさん!?この子どうした!?」
「可愛えやろー。ここで働いてくれへんか交渉中なんよ。」
「か、可愛いなんて通り越してる!こんなとこで働かずに是非付き合ってください!!!」
「こんなとこって失礼やなー。」
すぐに私の隣に陣取ったこの客。
それを見てカイがすぐに飲み物を提供。酒場だからやっぱり夜はお酒ですね。
「お嬢ちゃん今日は俺が奢る!好きに飲んでくれ!」
「え?」
私がチラッとカイを見ると、カイはニコニコ嬉しそうに笑っているので。
これはお受けした方がいいんだとすぐに理解できた。
「あ、ありがと…?」
「うわうわ、マジでヤバい。」
もうそれはそれは鼻の下を伸ばす客。
邪が手に取るように感じられる。
「でもその子一応オウスケが目付けてるから、手出すんはお勧めせーへんで。」
「え!?オウスケさんが!?」
「俺も可愛がりたいねんから、くれぐれもよろしゅうな。」
「あ…そ、そうか。」
おーちゃんに目を付けられてると言う話は嘘だとちゃんと分かっています。
だけどそんなカイの脅しに臆した客は、そこからも全然邪に手を出してくることなく、ただ楽しくお話してくれるだけ。

