「か、考えただけで高貴な人だね…。」
「性格最悪だけどね。だからリンは関わっちゃダメ。」
「…うーん。」
性格最悪って、余計心配だ。
トキのこの結婚は本当に大丈夫なのか?
「何でエゼルタにいるシオン将軍じゃなくて、トキが婚約者になるの?」
私が素朴な疑問を投げると二人はげんなりと顔を歪める。
「単に嫌がらせしてるだけだよ。最近度を超えてて腹立つけど。」
「嫌がらせなんてするお姫様いるの?」
「姫なんて大体があんな感じだよ。リンが特殊なの。」
「…って言うか!だとしたらなんでもっと早く言ってくれなかったの!?」
途端にトキに腹を立てる私。
突然怒り出す私にトキは驚いていますが、そんなことは知りません!!!
「早くって…何も変わらなくない?」
「私が追放される前なら私がトキをお嫁さんにして掻っ攫えばそれで解決出来たじゃん!!!」
「俺お嫁さんにはなれないし。そんな突飛な策思い付きもしなかったよ。」
「思い付いてよ!!!」
私がこれでもかと怒りを露わにしているというのに、トキは嬉しそうに笑うだけ。
このまま結婚話が進んでしまえば、アキトの元を離れなくてはいけないと誰よりも分かっているはずなのに。
「…俺のことはいいんだって。リンが気にすることじゃない。」
「トキはいいの?エゼルタに帰りたいの?」
「…だからリンにアキトの側にいてほしいって思ったんだよ。」
「答えになってないし。私はずっとここにはいられない。」
世界はまた動き始める。
アレンデールからセザールへ。
その矛先が向く予兆があれば、いくらアキトとの約束と言えども早めに発つ可能性もあり得る。
「…俺だって、出来ることなら譲りたくないよ。」
「知ってる。」
「でも何せ相手が悪くてね。俺は俺でやってみるからリンは気にしなくて大丈夫だよ。」
「それはまた詳しく聞きたいところだけど…。まずはそんなことより。」
私はここで。
先程まで仲良く天候の話をしていたシオン将軍に目を向ける。

