あー。眠い。
本当にまだまだ眠い。全然稽古って気分じゃない。
目を擦る私の耳に鳥の鳴き声が届く。
“ピー”
ちゅんちゅんなら雀。
カーカーなら烏。
ピーは?
するとバサバサと羽を動かして。
一匹の鳥が窓から侵入。
「えっ?」
その鳥は未だ眠そうなシオン将軍の肩に降り立った。
シオン将軍はそこでようやく私の手を離す。
「と、鳥だ。」
「シオンの鷹だよ。」
初めて見た、鷹。
シオン将軍の、鷹。
その足についた伝書らしき物を取り外し、また窓から空に放つ。
「…嫌な予感。」
「シオンたぶんもう無理だよ。諦めた方がいい。」
私は目の前の光景に再び目を輝かせる。
「私もやりたい!!!」
眠気もぶっ飛んだ。
これはたぶん情報伝達の一種なんだろう。
出来たらすごく便利。
そして鷹を飛ばすのがカッコいい。
「私にも出来る?どこで買ったの?どうやったら降りて来てくれるの?今どこに飛んで行ったの?」
「…トキ任せる。」
「タイミング悪かったね。」
もう鷹に興味津々の私にげんなりする兄弟。
私は気になって気になって仕方ない。
「俺とシオン今日は出掛けるんだ。だから鷹の話はまた今度ね。」
「お出掛けってどこに?私も行っちゃダメ?何時に帰って来る?」
「場所は言えないし連れても行けない。帰りは…たぶん夜には戻るけど。」
「…そっかー。」
明らかに肩を落とす私にトキは困ったように笑うしかなくて。
困らせちゃダメだと分かっているのに、困らせてしまった。私の馬鹿。
「…私稽古行ってくる!二人とも気を付けて行って来てね!」
出来る限りの笑顔で二人に伝えて、私はトキの部屋を一人で出る。
それは今はもう懐かしい。
アレンデール城にいた頃も、私はこうしていつも誰かを見送ることしか出来なかった。
この想いがいつも憤る。

