どっちが先にするか聞くとサクが手を挙げたので、希望通りサクから稽古開始。
アキトはその間また武器を振っている。
「あーサクごめん。傷まだ痛む?」
「問題ないっす!もう治りました!」
「トキに報告するの忘れてたから後で私から伝えて謝っとくね。」
「リンちゃん気にしすぎですって!」
稽古してる最中でも話ができるほどサクには余裕ありそう。
…やっぱこの子優秀だ。
「サクは呑み込み早いねー。」
「先生がいいんで!」
「褒め上手ー。ハナちゃんが羨ましいよー。」
「リンちゃんもおだて上手っす。」
いやもうサクって完璧じゃない?
顔良いし。優しいし。強いし。将軍だし。性格も良いし。女の子に対する気遣いも素晴らしい。
「私もし次結婚するならサクみたいな人がいいかも…っておーい!?」
お互い褒め合ってる中。
私が漏らした一言にサクが珍しく動揺して握っていた剣から、手を離した。
その剣は振り切っている途中の剣。
勢いよく私の左腕を掠める。
「り…リンちゃんっ…!」
「うんうん。私もそうだったから気持ちわかるよー。」
「ご、ごめっ…うぶっ!!!」
謝ってくれているサクを蹴り飛ばしたアキトさん。
「お前等二度と剣持って喋るな!!!」
「「…すみません。」」
アキトが珍しく怒鳴るので。
素直に謝る私とサク。
「ハナ呼んで来い!!!」
「はいっ!」
手当ての道具とハナちゃんを連れてくるため、サクが一時稽古を中断して駆け出した。
そして私に向き直る怒ったままのアキト。
「大袈裟だって。」
「ああ?」
「こんなの舐めてたら治りまーす。」
「……。」
ただ、場所が悪かったのは否めない。
まだ服の下で露見していないが、火龍の稽古で私が自傷した傷と同一部位。
古傷も相まって見た目はたぶん最悪だ。

