シオン将軍は私の腕を今も尚、掴んだまま離そうともしない。
「トキのお兄さんだから。今回はこれ以上何も言わないけど。」
「……。」
「次はないから。」
もう殺気を抑えることさえしない。
私はやっぱりシオン将軍が嫌いです。
ハルが私を守れないから自分に守らせろって。
その自信だけは凄いと思えるけど。
私だって守ってもらう人は選びたい。
「また怒らせましたか。」
「事実だし、今回はいいって言ったじゃん。」
「…それでも貴女はハルを選びますよね。」
そんなの当たり前で。
なんで私はこんな至極当然のことを、この人と話さなきゃいけないんだろう。
「私は死ぬまでずっとハルに守ってほしい。」
ハルじゃないと嫌。
他の人なんて絶対嫌。
「ハルに守ってもらえないなら、私は誰にも守ってもらわなくていい。」
もちろん私もハルのために。
力及ばなくてもハルを守ってあげたい。
もう二度と、ハルがいない世界を味わいたくない。
「貴女の副将さんは?」
「…るうは私を守ってくれる人じゃないよ。」
るうはどう思ってるか知らないけど。
「るうは私と一緒に戦ってくれる人だから。」
「なるほど。」
「私はめちゃくちゃ腹立たしかったけど。知りたい答えは知れたかなー?」
「…微妙です。」
こんなにムカついたのに微妙なのか。
もう本当にこの人と一緒にいるのも嫌なんですけど。
「いつまでいるの?」
「エゼルタからも召集がかかってるので大体二、三日ですね。」
「うわ、長。」
「貴女は?」
「あと半月くらい。」

