飛んで帰るなら日のある内に帰らねばならない。
城までの我慢だ。
覚悟を決めろ!私!!!
「…とりあえず何の感情もなく私を抱えてもらえます?」
「これでいいですか。」
「っ!?」
流石は兄弟。
ここは王道なら横抱きにするところを縦抱き。
近すぎてなんか腹立つ。
「兄弟揃って人を子供みたいに…。」
「俺からすれば子供です。」
「…あーアホくさ。もういいです。そのまま動かないで。」
私は早く城に着きたい一心で舞い上がる。
「不思議ですね。」
「そうだねー。」
「その力一体何なんですか?」
「伝説らしいよー。」
当たり障りのない私の回答。
シオン将軍は私を縦抱きのまま抱えているので。それはとんでもない距離ですが。
私の心は無です。
「…トキが大事ですか?」
「余計なことは何も言わないで。私はトキ以外からもう何も聞きたくない。」
「…エゼルタに来ませんか?」
「ここぞとばかりに勧誘もやめて。私は私の意思で動くからあなたの望みは叶えてあげられない。」
早く着け!城!!!
来る時はそんなに遠くなかったから大丈夫!すぐに着くはず!!!
「貴女の意思…。」
「……。」
「貴女に関しては読めない事が多い。」
「残念だねー。」
今だって私から何かしら読み取ろうとしているのは分かってる。
だけど探らせない。
私はこの人を決して侮ってはいない。

