私の知ってる記憶の中のハルが、私に嘘をつくことなんてまずない。
「貴女も知り得ない事でしたか。」
「…もうほっといてよ。」
「ほっとけなくて困ってるんですけど。」
「…そんなの知らない。」
もう誰かこの人どっかやって。
軍人さんに手貸してさっさと引き渡せばよかった!!!
「……あー嫌な予感。」
「……。」
馬の足音。
一直線でこちらに向かって来る。
…その嫌な予感に私も同感です。
「…へえ。」
「……。」
「こりゃ珍しい組み合わせだなあ。」
「……。」
絶対来ないとタカを括っていた。それにどうしてこの街にいることが分かったんだろう。
今は本当に少しでいいから一人にしてほしい。
「よお、シオン。」
「…久しぶり、アキト。」
「リンが浮かねえ顔してんのはどういう了見だ?」
「…さあ?」
どうやら二人は知り合いのようだ。
じゃあもう後は二人でどうぞ好きにお話しててほしい。
私はとりあえず立ち上がって、一人で飛んで帰ろうかと考える。
アキトここにいるから気兼ねなく城に戻れる。
一杯一杯なんです。
シオン将軍いるから気が抜けない上に、ハルの結婚話に、色々あったアキトまで現れた。
想定外が多すぎる。
「何で彼女がここに?」
「今うちで預かってる。」
「じゃあついでに泊めて。」
「ふざけんな。俺の城は宿じゃねえんだよ。」
私は隙を窺っている。
この場から逃げる隙を。
それをさせまいとするのがシオン将軍で。私は中々動けないことに腹が立ってきました。
「俺もう少しハルの結婚話詳しく知りたいんだけど。」
「リンが元気ないのって鬼人の流言が理由かあ?」
「…そうらしい。」
「リン!お前が知らねえならデマだって!大丈夫だから落ち込むな!!」

