「……。」
「……。」
腰掛けた私を見て、シオン将軍もその場に立ち止まる。
「どうぞ?私別に軍人さんに告げ口したりしないから今のうちに逃げたら?」
「別に逃げてません。」
「追われてたじゃん。今全然シオン将軍と喋る気分じゃない。行くならさっさと行って。」
「……。」
黙り込んだシオン将軍。
残念ながらさっきの流言を聞いて、私も多少動揺してしまったのは事実で。
どうしたらいいのか分からない。
「…ハルの結婚は事実ですか?」
「…知らない。」
「そうですか。」
「…ハルのこと、ハルって呼ぶんだね。」
知らなかったな。
ハルとシオン将軍って仲良かったのかな。
そう言えばハルもシオン将軍のこと呼び捨てにしてたっけ。
「…昔戦で少し。」
「そっかー。」
「…大丈夫ですか?」
「無論だよ。」
大丈夫に決まってるじゃん。
ハルの結婚が事実でも、事実じゃなかったとしても全く問題ない。
ハルだって王族なんだし。
結婚は仕事の一環みたいなものだし。
好きな人だって、本当はいたのかもしれないし。
「…泣きそうになってません?」
「泣きません。」
私が不安に思ってるのは。
『俺の人生はリンに捧げると決めてる。だから結婚はしねえ。したいとも思わん。』
ハルが私に、嘘をついたの?
あの言葉は、嘘だったの?

