それにしてもこの逃げてる人、相当強い…と思う。
気配を消すのが上手すぎる。
その人は敵意も殺意もないにしたって、私も捉えることが難しい。
「……。」
もういいかな。
めんどくさくなってきたな。
私はそう思い屋外の大衆食堂みたいな場所で、空いた椅子に座る。
実はお腹すいちゃって?
お金ないんだけど?
お願いすればコーヒーとお茶菓子くらい出してもらえないものだろうか。
「うー…。」
他の席へ運ばれている美味しそうな甘味物を思わず眺めてしまう。
その甘味物の行方を追うと。
バチッと。
示し合わせたように目が合った。
それを注文しただろうお客さんと。
「……。」
「……。」
ないない。
ありえない。
あの人がこんな場所にいるわけ…。
ただ、もしもの場合があるといけない。
私は立ち上がり、早々にこの場を去ろうと思い立つ。
「この辺りか!?」
「ああ、姿を見た奴がいた。」
軍人数人が彷徨き始めた。
一人の軍人がこの店に入り込む。
まさかまさか。
追われてるのは先程私と目が合ってしまった、あの人か…。
何だってこんなところにいるんですか。
「出て来い!エゼルタのシオン!!!」

