「使ってみる?」
「うわ、マジか。え、いいのか?」
「どうせ片手しか使えないから私使わないもん。でも返してよー?」
「鬼人の剣かあ。俺めちゃくちゃ強くなった気がする!!!」
ハルの剣を貸してあげただけなのに、アキトが子供のように喜んでいる。
剣だけでこんなに喜ぶなら、本人に会ったらどうなるのか少し見てみたくなった。
想像すると楽しくて、思わず顔が緩む。
「…何笑ってんだよ。」
「いや、ハルにいつか会わせてあげたいなってちょっと思った。」
「マジで頼む!!!」
「…機会があればねー。」
正直なところ、ハルは嫌がりそう。
会ったとしても怒りそう。そしてアキトを完膚なきまでにボコボコにするところまで想像出来る。
だから私は苦笑いするしかない。
「仮に私がいないところで会うことがあったら、絶対に私の名前は出しちゃだめだよ?」
「何でだよ?」
「ハルはそれだけで怒るから。」
「名前呼ぶだけでか!?」
ハルってそうなんです。
私に関することでは異常に沸点低いんです。
「じゃあ始めようかー。」
今日もボール遊びを開始。
ご褒美のほっぺチューを巡って、また過酷な稽古となりました。
もう私からボールさえ奪えればそれでいいと、仲の良いアキト軍は一致団結。
華麗なまでの連携で、私に襲い来る。
「え…ちょっ…!?」
この修行方法はアキト軍にぴったりハマり。
まだ数日にも関わらず大いに効果を表しています。
「そっちだ!回り込めー!!!」
「何が何でも捕まえろ!!!」
「唇を奪えー!!!」
もう何だこの団結力!?!?
「…私もちゃんとやろ。」
ちょっとギアを上げます。
というか、上げさせられました。

