和やかにとはいかない車中。
まだまだるうは私を睨むように見ています。
でもここで、私の体内時計が睡眠の時間を知らせるように眠いと脳に訴える。
馬車の揺れも相まって、これがまた眠い。
「だから言ったんだよ。」
「…寝ないし。」
「いや、もう寝てろ。」
「大丈夫。私もう子供じゃないし。るうにそんなに考えて貰わなくても自分で出来るし。」
憎まれ口を叩く私に、ふわっとブランケットを掛けて更に睡眠を促するう。
「…お前のことなら、どうやったって四六時中考える。」
「っ…。」
「考えた上で寝てろって言ってんだよ。たまには言うこと聞け。」
「…は…い。」
るうは四六時中、私のことを考えてくれているらしい。
さっきまであんなに散々言い合ったにも関わらず、ここは素直に聞かねばならない。
るうの想いが強過ぎて、聞かざるを得ない。
「頭こっち。」
「っ!?」
「後ろ付けたらセット崩れるだろ。」
私の頭をそっと自分の肩に乗せるるう。
この気の回し方なんですよ。ワカさんこれだよね。良い男ってきっとこうなんですね。
「…ごめんね。」
「何で俺には謝るんだよ。」
「え?」
「さっきはアイツに礼言って、俺に詫びるのは納得いかねえ。」
おーちゃんにお礼を言ったのは、整えた身なりを褒めて貰ったからだ。
そして今るうに謝ったのは、さっきの言い合いは私に非があったと判断したから謝った。
それを納得がいかないと怒る意味が分からん。
「るうって、やっぱり変な拘りあるよね。」
「俺はお前のもんだろ。それをどう使おうがお前の勝手だ。礼は言われても詫びられる覚えはねえ。」
どこまでも、腹立たしいくらいるうだな。
「っ〜やっぱり寝ないっ!」
「…。(クソ。怒りが収まったら可愛いが止まらねえ。)」
「るうっ…!?」
るうの肩に置かれた私の頭に、更に自分の頭を置かれて戸惑う。
「じゃあ俺も寝る。お前ももう黙って寝てろ。」
「っ…。」

