開戦してみれば、一箇所が群を抜いて光る。
セザールの前線。
敵は疎か、不用意に味方さえも近付くことが出来ないほどに力強く光輝く。
「た、隊長…やべえ。」
「俺等居る意味あるのか?」
矛の一振りは塵風を切り裂き、敵を薙ぎ払う。
調子絶好調のアキトは、止まることを知らずにトキの指示通りただ前進する。
快進撃を魅せたアキト軍を前に、ソルは成す術もなく戦場に散る。
「隊長ーっ!!!」
「あー?」
「トキさんがとりあえず止まれって言ってます。」
「はあ?アイツが進めって言ったんだろうが。」
思わずトキがストップを掛けてしまったのは、この成長を見誤ったから。
もうアキト軍の後軍は着いて行くのがやっとの状態。
「後ろが来てないんで、とりあえず止まって戦え…だそうです。」
「…ったく。」
急げと言ったり止まれと言ったり。
しかしトキの指令に背くことは出来ないアキトは、ここで足を止めて。
その場の敵さえ一網打尽。
後軍が追い付き、陣形を整える前にアキトは一帯を制圧してしまう。
「アキト。」
「おいトキ、お前急いでんだろ。止めるなよ。」
「…もう止めない。」
トキは、アキトにもう止めないと言う。
もう見誤らないと決めた。もうこのアキトと言う将軍の力を虚心しないと決めた。
「桜花爛漫…か。」
「はあ?」
「リンがアキトのことそう言ってた意味が、今頃分かった。」
桜の花が最も美しく咲く情景のように。ただ綺麗に、光輝く様だと。
私が見た未来を、トキは目の当たりにしている。
「着いて行けてないのは俺だった。ごめん。」
「…怖い。謝るなトキ。何でもするから飯抜きと罰金は止めてくれ。」
「その言われようにムカつくけど。じゃあとりあえず、もう止めないから。アキト、走れるだけ走っておいで。今度はちゃんと追い付く。」
「ああ。お前はただ、俺を勝利へ連れて行け。」

