「シオン将軍自身が、リンにとって危険だったら?」
「あの馬鹿はリンを危険には晒さねえよ。俺をならまだしもな。」
ハルは危険に晒しても、私は晒さない。
しかし今回は、私は自ら危険に飛び込もうとしていることをシオンは知っている。
「ただ、不純な狼には違いねえからな!?そこはお前何とかしろよ!?」
「あの人そんな風に見えねえけど。」
「甘え!お前は甘えんだ!巷では女嫌いで有名らしいが、そんなのがリン相手に適用されるわけがねえ!」
「…ま、何とかなるだろ。俺がいるし。」
るうはただ久々の私とのお出掛けに胸を弾ませるだけ。
その様子にハルは別の不安を覚える。
「お前は…あれだよな。リンとは終わったんだし、今更変な気起こすなよ。」
「今度は何の心配してんだよ。」
「手出すなよ。」
「……出さねえよ。」
「何の間だ!?今何を考えた!?」
「うるせえ。」
手は出さないとるうは本当に思っている。
しかし相手が私なもので、そんな考えにも自信が持てないのも事実だった。
「あら?」
そこへママが現れて、るうがドレスを準備しているのを発見。
「エゼルタにお呼ばれの服?」
「あーはい。リンが服の指定したんで。」
「まあ!気になる方でもいるのかしらっ!」
「いねえよ!!!」
すかさずハルが否定。
ママは私が選んだドレスを見て、また嬉しそうに笑う。
「リンがご招待を受けるなんて初めてね。」
「…そうですね。」
「今までも招待状は山程来ていたのに、リンの手には届かなかったから。喜ばしいことね。」
ママはここに来てようやく社交界デビューする私を、心から喜ぶ。
そして今までこの城に押し込められていた私が、ようやく輝かしい場所へ行くのだと感慨深い気持ちになっていた。
「ハルが届けてくれたのね。」
「…別に。今回はリンに必要らしいから、隠したら嫌われる。」
「ありがとう。」
「行き先はエゼルタ。あの王とシオンがいる。リンの身は大丈夫だろうからな。」

