近距離で声を掛けるるう。
慣れした親しんだその声は、確かに私の耳に届くものの。私はまだまだ眠いんです。
「リン。」
「…や。」
「嫌じゃねえよ。起きねえなら俺はこのまま帰るぞ。」
…帰る?
誰が?これはるうの声?夢か?
「る…。」
「あーはいはい。」
すぐ側にある。
安心する方へ手を伸ばすと、当たり前のようにそこにいる。
「る…う?」
「ん?」
その首に腕を回すと、ゆっくりと抱き起こしてくれる。
ただ頭はまだ着いて行けない。
「…お、かえり。」
「ただいま。」
そのまま灯りのない部屋から私を抱えて、階段を下に降りて行くが。
突然の眩しさに私は光から目を逸らす。
「おいコラ。今引っ付くな。」
「…眩しい。」
「階段危ねえだろ。」
灯りが眩しいために、私はるうの胸元に顔を埋める。
「お嬢起きた!」
「声のトーン落とせよ。頗る機嫌悪いから。」
「あ、はい。」
るうに言われた通り、静かにしようと心掛けるおーちゃん。
しかし、そんなおーちゃんには悪いが。私はこの明るさにも嫌気が差している。早く暗い部屋でまだ寝たい。
「……。」
「あ、やべ。服着替えさせんの忘れた。てかお前、他所でそんな格好で寝るな。」
「……。」
「起きてんだろ、話聞け。」
「…聞いてる。」
いつもより全然低い私の声に、これはかなり機嫌が悪いとカイもおーちゃんも状況を把握。
「とりあえず上から羽織るもん持って来るわ。」
カイが気を利かせて、そう言って羽織を持って来てくれたので。
るうがそのままふわりと私に被せる。
「自分で座れ。」
「…いい。」
「今大人しく座るならコーヒー淹れてから帰ってやる。」
「…う。」

