「おかえり。白狼と仲直り出来たか?」
「…いやもうずっと機嫌悪かった。途中逃げようかと思った。」
私とシオンの仲違いを心配したカイが、戻ってすぐに声を掛けてくれる。
けどまあ、もう大丈夫でしょう。
「今日は各国の兵達が集まる日やったなあ。」
「カイのお店有名なんだねー。」
「どう見たって俺宛の客なんかおらんかったわ。皆んなお嬢に会いたかったんやろ。」
「…イヴ以外ねー。」
唯一のクレーマーでしたもの。
大変ご迷惑お掛けしました。すみません。
「お嬢顔色悪ない?」
「んー?少し疲れた…かな?」
私の顔色が悪いと心配したおーちゃんが、ヒーローさながらに私を抱える。
「もう寝とき。」
「私歩けるつもりー。」
「あかんあかん。カイ、とりあえず上まで持っていくわ。」
カイはお店の後片付けをしながら、おーちゃんにヒラヒラ手を振るだけ。
そのまま上の部屋に連れられた私。
「私お風呂入りたいんですが。」
「ん。」
「ん?」
「行ったら?」
…あなたは???
「…え?おーちゃん帰らないの?」
「お嬢が寝てから帰る。」
「あ、はい。」
良く分からないおーちゃんのスケジュールですが、ここは気にせずお風呂に入ります。
髪の毛もお化粧も、しっかり落として寝なければ。
私は一ヶ月後にお姫様とバトルするので。生まれて初めて外見への気配りを意識しています。
「…あー…。」
シャワーを浴びつつ、鏡を見ると。
おーちゃんが顔色が悪いと言った意味が良く分かった。酷い顔だ。いつもに増して疲れの色が強い。
「この馬鹿龍。もう少し優しくしてくれても良いじゃん。」
原因は分かってはいる。
火龍の力の使い過ぎだろう。今日は二箇所で作業したし、移動にも使った。積み重なるものもある。
それを認識した途端、更に襲い来る疲労。
何とかシャワーを浴び終えて、もう事切れてしまいそうな意識でバスローブは着ました。そこまではちゃんと覚えてる。
しかし、脱衣所から部屋に戻るまで目を開けておくことは出来なかった。

