私の言葉を、とても信じられなさそうにシオンがただ聞いている。
ハルさえそれには気付いてないかもしれない。ハルは普段怖いと思うことがないものだから。
「私を掬い上げる気がないのに、私を守ろうとするシオンが意味不明だから怖いんだと思うよ。」
「は?」
「私と同じ感覚を持ってるシオンが、ハルには恐怖なの。だから嫌ってなんかないよ。仲良くしてね。」
「いや、俺理解出来ないんですけど。」
私を掬い上げる気がないと言ってしまったことが、まず理解出来ないと言うシオン。
同じ感覚を持ってるから私には分かる。
「…その時が来たら分かるんじゃない?」
「いつですか。」
「私にも分かんない。」
「俺は貴女のことなら別に…」
私はここで、シオンから離れてその先の言葉を遮る。
何を言おうとしたのかは分かりませんが、それ以上のことは聞いてあげません。
「シオンを自由の下に連れて行くから。」
「…余計なお世話です。」
「うん。これはただの私のお節介かもね。だけど、絶対連れてくから。その後にまた話そうよ。」
「…はぁ。」
その後なら、聞いてあげないこともない。
「自由になったシオンが選ぶ道、私気になるんだよねー。」
「俺大した道は進めません。」
「今もう既に大した道じゃん!」
「そんな風に思ったことないんで。」
うわ、嫌味な人。
私からすればもうびっくり凄い将軍で、一番目を惹く軍略家でもある。
それを、大したことだと思えないなんて。
「欲張りだねー。」
「どこがだ。」
「とりあえずまたねー。」
「……。」
しれっとお別れの挨拶をした私を、無言で睨み付けるシオン。
最初も最後も怒ってる。
さっきまで少し持ち直してたのに。

