突き放すって、何するんだ?どうやるんだ?
文字通り、突いて放すのか?
とりあえずシオンの胸をそのまま押してみる。放すのはもう離れてるからこれでいいのか。
「……。」
「……。」
やったんだから、せめて何か言ってくれ。
「…やってみたけど。」
「…馬鹿ですか。」
「試行錯誤したのに何でそんな言い方するの。」
「俺が貴女を嫌うまで。」
「漠然とし過ぎ。逆に今好きなんですか。」
「……。」
そこで黙れると私がキツい。と言うか痛い人みたいで可哀想。
そして嫌うまで突き放せって注文もムズい。
「っ!?」
また邪が私の唇を狙うが、ここは阻止。
私はシオンの口を思いっきり押さえることに成功した。
「やめて。」
「何で。」
「…何でも。」
「嫌いになる?」
…意地の悪い質問だな。
「なるって言ったら?」
「やめない。」
「ならないって言ったら?」
「やめない。」
何だこいつ。
どっちにしてもやるんかい。
「…嫌いになりたくないからやめて。」
私は自分なりにベストな回答を見つけた。
…つもりなのに。
私の手を強引に引き剥がして、ここも強引に唇を奪われる。
何の茶番なの。さっきの問答も全部無意味。私の両手も離さないまま。
私はまた狼に捕食される。

