頭が固く口煩いハルの側近を、こんなにあっさり追い返してくれるなんて…!
「うう、イヴありがとー!私またこってり怒られるのかと思ったよー!」
「離れろ鬱陶しい!!!」
「切り替え早。」
側近が退席したので。
そのままの勢いで行けるかと思い優しいモードのイヴに飛び付くと、すぐに通常モードに戻る。
「リン!間違えた…小娘!!!」
「わざわざ言い直さなくていいじゃん。」
「貴様さっきはよくも…っ!」
さっきの私からのキスが気に入らなかったらしい。
「嬉しかった?」
「蚊に刺されたに等しいわ!!!」
「…また昆虫か。」
私の例え昆虫率高すぎる。
昆虫にも命はあるが。割と悲しい。
「それよりリン早く渡せ!!!」
「へ?」
「ハルさんの服!!!」
「お好きなだけどうぞー。」
三日分らしいからな。
本音を言うとさっきの口から出まかせの嘘を、実現させたいとも思って。一枚くらい欲しかったけど止める。
たぶん、会いたいが止まらなくなる。
「イヴ帰るの?」
「今追い掛ければハルさんに追いつける!!!」
素早く帰り支度を整えたイヴは、ハルを追い掛けたくて仕方ないらしい。
「…次会う時には、私が言った改善点は直しといてね。」
「喧しい!儂はもう行く!カイさんお邪魔しました!!!」
大好きなハルの元へ。
イヴは駆け出して行ってしまった。
「……ねむ。」
嵐が去れば眠くなってきた。
そんな私に気の利くカイがそっとコーヒーを差し出してくれる。
「あーやっと帰った。お嬢も大変やな。あんな怪物相手にして来たんか。」
「イヴの相手は苦じゃないよ。すんごい嫌われてるけど、私は嫌いじゃないし。」
「あんだけ言われて嫌いにならんって、お嬢は懐広いな。」
「ああ見えてハルはイヴのこと信頼してるから。ハルがそう思える人なら、私はどんな人でも好きだよ。」

