「嬉しい!ありがとう陛下!」
「会ってまず直接お前が詫びろ。決して粗相するなよ。」
「それは良いけど、捕えるのはダメ…ですか?」
「何が良いんだ。ふざけるな。」
興奮が抜けきれない総司令さんは、言ってることが支離滅裂だ。
「可愛い息子達も気に掛けてるみたいで。」
「シオンとトキを出汁にするな。」
「…陛下だって、あの子を許せるの?」
エゼルタ王は、私を許せるのかと聞かれて言葉を噤む。
「捕らえて、殺したいほど憎んでるのは陛下でしょう?」
「…許せるか…分からんから、会おうと決めた。」
「じゃあ捕らえてもいい!?」
「駄目だ。詫びるために招待して捕えるなどあり得ん。」
一向に意見の通らないエゼルタ王を相手に、総司令さんは提案を持ち掛ける。
「会ってみて、碌でもない子だったら捕える…ならいい?」
「その判断は誰が下すんだ。」
「ユイ姫様とか?」
「お前はユイを懐柔しておきながら何を言っている。シオンならば良い。」
「シオン女の子嫌いだから捕える以前に殺しちゃうかもしれないけど。」
「気に掛けてるんじゃなかったのか!?」
口から出まかせを言ったことがバレて、総司令さんは怒鳴られる。
ごめんごめんと軽く謝る総司令さん。
「でも、シオンにしては珍しくあの子相手だと冷静さに欠けるし。接点はありそうだから大丈夫…かも?」
「…シオンもようやく惚れる女が出来たか。」
「でもシオン曰く良い感じなのはトキの方らしいんだよね。」
「何!?ユイとの婚約はどうする!?」
シオンは断じてそんなことは言っていないが。
大いに勘違いした二人の父親が、勝手に推測して話だけが進んで行く。
「姫様はどっちでも良いんじゃない?僕の息子達は僕に似て顔立ち最高だから?」
「それは俺の娘が顔でしか男を選べんと言っているのか?」
「…陛下、今頃気付いたんです?」
「何だと!?」
娘を持つ父親とはみんな親バカなのだろうか。
ユイ姫さんの蛮行も、父親目線で見れば可愛いものなのだろうか。

