「はあ、気持ちいい!」
水族館をあとにすると、隣接する芝生の広場に行く。
キッチンカーでオムライスを買うと、ベンチに並んで座って食べた。
「はい、これ。お土産のキーホルダーね」
「ありがとう!」
久瀬くんから受け取ったイルカのキーホルダーを、私は早速キーケースにつけてみる。
「可愛いね」
「うん。あやめさんは本当に可愛いね」
「ええ?イルカの話でしょう?」
「イルカを見て可愛いって笑うあやめさんが誰よりも可愛い」
そう言って見つめてくる久瀬くんに、私は照れ隠しのようにボールペンを差し出した。
「あの、よろしければどうぞ」
「えっ、俺に?」
「はい。ささやかですが……」
「嬉しいです!大切に使いますね。ありがとう、あやめさん」
久瀬くんの笑顔は本当に嬉しそうで、私まで幸せな気持ちになる。
しばらくのんびりと海を見ながら、他愛もない話をした。
ふと気がつくと、腕を組んだり肩を抱いたカップルが多く行き交っている。
互いに気を許したように身体を寄せていて、大人の関係に見えた。
「あの、久瀬くん?」
「ん?何ですか?」
「私、これまで誰ともおつき合いしたことなくて。ちゃんとデート出来てますか?」
え?と久瀬くんは、何の話だとばかり首をひねる。
「久瀬くんは、その……、たくさん恋愛してきたでしょう?私、その女の子達と比べて変じゃないですか?」
うつむいて小さく尋ねると、いきなりギュッと抱きしめられた。
「あの、久瀬くん?」
「あやめさんが誰よりも好きです。今、目の前にいるあやめさんのことしか考えられない。どんなあやめさんも目に焼き付けたくて、あやめさんの言葉をひと言も聞き逃したくなくて必死です。それ以外のことなんて何も考えられない。俺の頭の中も心の中も、全部あやめさんでいっぱいなんです」
「久瀬くん……」
「あやめさん、俺のマンションに帰りましょうか」
「えっ、もう?」
「だって、キスしたくてたまらなくて。ここでしてもいい?」
私は慌てて首を振る。
「ダメ!ほら、小さいお子さんもいるよの?健全な子ども達には教育上よろしくないわ」
「ふふっ、分かりました。じゃあ、行きましょうか」
手を繋いで立ち上がった久瀬くんに、私は早くも頬を赤くしていた。
水族館をあとにすると、隣接する芝生の広場に行く。
キッチンカーでオムライスを買うと、ベンチに並んで座って食べた。
「はい、これ。お土産のキーホルダーね」
「ありがとう!」
久瀬くんから受け取ったイルカのキーホルダーを、私は早速キーケースにつけてみる。
「可愛いね」
「うん。あやめさんは本当に可愛いね」
「ええ?イルカの話でしょう?」
「イルカを見て可愛いって笑うあやめさんが誰よりも可愛い」
そう言って見つめてくる久瀬くんに、私は照れ隠しのようにボールペンを差し出した。
「あの、よろしければどうぞ」
「えっ、俺に?」
「はい。ささやかですが……」
「嬉しいです!大切に使いますね。ありがとう、あやめさん」
久瀬くんの笑顔は本当に嬉しそうで、私まで幸せな気持ちになる。
しばらくのんびりと海を見ながら、他愛もない話をした。
ふと気がつくと、腕を組んだり肩を抱いたカップルが多く行き交っている。
互いに気を許したように身体を寄せていて、大人の関係に見えた。
「あの、久瀬くん?」
「ん?何ですか?」
「私、これまで誰ともおつき合いしたことなくて。ちゃんとデート出来てますか?」
え?と久瀬くんは、何の話だとばかり首をひねる。
「久瀬くんは、その……、たくさん恋愛してきたでしょう?私、その女の子達と比べて変じゃないですか?」
うつむいて小さく尋ねると、いきなりギュッと抱きしめられた。
「あの、久瀬くん?」
「あやめさんが誰よりも好きです。今、目の前にいるあやめさんのことしか考えられない。どんなあやめさんも目に焼き付けたくて、あやめさんの言葉をひと言も聞き逃したくなくて必死です。それ以外のことなんて何も考えられない。俺の頭の中も心の中も、全部あやめさんでいっぱいなんです」
「久瀬くん……」
「あやめさん、俺のマンションに帰りましょうか」
「えっ、もう?」
「だって、キスしたくてたまらなくて。ここでしてもいい?」
私は慌てて首を振る。
「ダメ!ほら、小さいお子さんもいるよの?健全な子ども達には教育上よろしくないわ」
「ふふっ、分かりました。じゃあ、行きましょうか」
手を繋いで立ち上がった久瀬くんに、私は早くも頬を赤くしていた。



