キミのために一生分の恋を歌う② -last stage-

「今日から担当になりました。諏訪野 晴です。よろしくね。と言っても2度目ましてかな、美深……小夏さん?」

でも、晴に出会えた。
世界は、一変した。
ずっと心に降っていた雨が止んだ。

「bihukaとしての歌手活動はこの夏限りにして欲しい」

終わりがあるからこそ、頑張れた。

「それはいいことでもあり、みんなを巻き込んでいるってことでもあるんだと思う。だからこそ諦めずに気持ちを前に向けなきゃね」

心の枷を外すことが出来た。

「小夏には小夏にしかできないことがある。でも少し調子悪いときは休んでいいし、泣いたっていいんじゃない? 僕がいる、僕はいるよ」

この人の胸でならいくらでも泣いてもいいんだって思えた。

「前に泣きながら倒れた時と同じ音をしてるから」

全部見抜かれちゃってて。

「僕は小夏と生きていきたい。小夏と出会った時から、いや出会う前からずっと、心から、愛しているーー」

惜しむことなく無償の愛をくれた。