花火は終わって、あたりはまたしんとして静かになった。
だけど、どこからともなく風が吹いてくる。
木や草花や、私たちの心を揺らす優しい風。
「花火終わっちゃったね」
「また来年、でしょ」
晴は笑った。
晴が笑う度、私は強くなれる。
「もしも神様がいるのなら、願いを叶えてなんて言わないから背中を押してくれないかな。私、この歌詞に託したんだ。思いを」
「僕もその歌詞がとても好きだよ」
「うん、晴は気付いてくれる、そんな気がしてた。ねぇ、神様はきっといなくて、どんなに願っても終わってしまった人間は戻らない」
「だけど、諦めないで前を向いて生きていたら、いつかきっと風に乗って想いは届けてくれるんだよな?」
「……そう。そうしたら、お父さんや陽菜さんにもまた逢える。奇跡みたいに冬夜にも出逢えた。だから神様ってね、やっぱりいるんだと思う。これからも私はそう信じて生きていきたいと思ったの」
「信じられる。僕はそんな小夏を離さないから」
「私も晴がいるから。どんな世界でも怖くないよ。愛していけるんだよ」
ありがとう、と私は呟いた。
多分、神様に。
風に乗って届くように、お父さんや、陽菜さんやいつか居なくなっていくみんなに。
「小夏、そろそろ行こうか」
「うん。晴、私はもう生きることを諦めないよ」
「誓って」
「誓うよ」
私たちは手をとり、永遠を分かち合うようにキスをした。
もう一生、この手は離さない。
「あ、そうだ。あの時の約束。ちゃんと続きも、教えてよ。私忘れてないんだから」
「ハハ、意外に小夏って、ムッツリだよな」
「晴のバカ。知らないっ。ラストライブも光さんから晴の写真いっぱい貰って頑張ろうっと」
「止めてくれ」
「やーだ。それに瞬さんや東条先生からももっとたくさん晴のこれまでの話を聞こう!」
「それはほんとにろくな話がなさそうだな」
2人で下らない話をしながら、私たちは晴の車へ戻った。
そこに居たのは、いつも通りの私たちだった。
。*❅┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈❅*。
⋆⸜🌷⸝⋆𝐓𝐡𝐚𝐧𝐤 𝐲𝐨𝐮 10,000PV⋆⸜🌷⸝⋆
2025.4.14
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だけど、どこからともなく風が吹いてくる。
木や草花や、私たちの心を揺らす優しい風。
「花火終わっちゃったね」
「また来年、でしょ」
晴は笑った。
晴が笑う度、私は強くなれる。
「もしも神様がいるのなら、願いを叶えてなんて言わないから背中を押してくれないかな。私、この歌詞に託したんだ。思いを」
「僕もその歌詞がとても好きだよ」
「うん、晴は気付いてくれる、そんな気がしてた。ねぇ、神様はきっといなくて、どんなに願っても終わってしまった人間は戻らない」
「だけど、諦めないで前を向いて生きていたら、いつかきっと風に乗って想いは届けてくれるんだよな?」
「……そう。そうしたら、お父さんや陽菜さんにもまた逢える。奇跡みたいに冬夜にも出逢えた。だから神様ってね、やっぱりいるんだと思う。これからも私はそう信じて生きていきたいと思ったの」
「信じられる。僕はそんな小夏を離さないから」
「私も晴がいるから。どんな世界でも怖くないよ。愛していけるんだよ」
ありがとう、と私は呟いた。
多分、神様に。
風に乗って届くように、お父さんや、陽菜さんやいつか居なくなっていくみんなに。
「小夏、そろそろ行こうか」
「うん。晴、私はもう生きることを諦めないよ」
「誓って」
「誓うよ」
私たちは手をとり、永遠を分かち合うようにキスをした。
もう一生、この手は離さない。
「あ、そうだ。あの時の約束。ちゃんと続きも、教えてよ。私忘れてないんだから」
「ハハ、意外に小夏って、ムッツリだよな」
「晴のバカ。知らないっ。ラストライブも光さんから晴の写真いっぱい貰って頑張ろうっと」
「止めてくれ」
「やーだ。それに瞬さんや東条先生からももっとたくさん晴のこれまでの話を聞こう!」
「それはほんとにろくな話がなさそうだな」
2人で下らない話をしながら、私たちは晴の車へ戻った。
そこに居たのは、いつも通りの私たちだった。
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