あの時、海で晴は言ってくれた。
【これからも小夏は失うものが沢山あると思う。それでも僕は小夏には生きていて欲しい。失うものを超える沢山の奇跡を見せて欲しい】
いま、確かに奇跡が起こったんだよね。
胸の中に暖かな記憶がたくさん流れ込んできて。
切ない歌声に、ただ涙が止まらなくて。
「……は、晴……」
それでも私は車椅子から立って、フラフラする足で晴のもとへ歩き出す。
「……ッ小夏!!」
「晴、頑張ってくれてありがとう……最後まで、私を、諦めないでいてくれてありがとう。いっぱいいっぱい……ありがとう……」
全てを思い出した私は、晴に抱かれ、胸の中へやっとたどり着いた。
晴は泣きながら私を抱きしめてくれた。
「ずっと待ってたよ。小夏のこと。おかえりなさい」
「ただいま……」
「これからも、僕たちはずっと一緒だ。2人でずっと生きていこう」
「うん……!!」
「何度でも言うよ。僕は小夏を愛している」
「私もだよ、晴」
ホタルが祝福するように、私たちの周りを飛んでいた。
一生忘れたくないとか、もう言わないよ。
だって、これからも晴と生きていける。
生きていくんだ。
「私、晴と来年もここに来たい。浴衣着て、夏のお祭りにも行きたかった。秋になったら、もみじを見に行きたい。冬になったら一緒に雪合戦して、春になったらまたあの桜の下でお花見したい」
「そうだね……僕たちはこれからなんだってできる」
二人で幸福とか痛みとか、これからの人生全てを分かち合うように抱きしめ合った。
【これからも小夏は失うものが沢山あると思う。それでも僕は小夏には生きていて欲しい。失うものを超える沢山の奇跡を見せて欲しい】
いま、確かに奇跡が起こったんだよね。
胸の中に暖かな記憶がたくさん流れ込んできて。
切ない歌声に、ただ涙が止まらなくて。
「……は、晴……」
それでも私は車椅子から立って、フラフラする足で晴のもとへ歩き出す。
「……ッ小夏!!」
「晴、頑張ってくれてありがとう……最後まで、私を、諦めないでいてくれてありがとう。いっぱいいっぱい……ありがとう……」
全てを思い出した私は、晴に抱かれ、胸の中へやっとたどり着いた。
晴は泣きながら私を抱きしめてくれた。
「ずっと待ってたよ。小夏のこと。おかえりなさい」
「ただいま……」
「これからも、僕たちはずっと一緒だ。2人でずっと生きていこう」
「うん……!!」
「何度でも言うよ。僕は小夏を愛している」
「私もだよ、晴」
ホタルが祝福するように、私たちの周りを飛んでいた。
一生忘れたくないとか、もう言わないよ。
だって、これからも晴と生きていける。
生きていくんだ。
「私、晴と来年もここに来たい。浴衣着て、夏のお祭りにも行きたかった。秋になったら、もみじを見に行きたい。冬になったら一緒に雪合戦して、春になったらまたあの桜の下でお花見したい」
「そうだね……僕たちはこれからなんだってできる」
二人で幸福とか痛みとか、これからの人生全てを分かち合うように抱きしめ合った。


