「はる兄!! 早く早く。こっちに来て、ひまわりが沢山咲いてるよ」
「こぉら、陽菜。走るなって言っただろ」
「ごめぇん。だってお兄ちゃんに見せたかったんだもん」
澄みわたる青い夏の空の下、麦わら帽子を被った陽菜がいつもの笑顔で僕を呼んでいる。
僕の一番の宝物だった。
「見て、すごい数のひまわり!!」
「今年もすごく綺麗に咲いたね」
「えっここのこともう知ってたの?」
「和臣にも何度も連れてこられたし」
「かず兄にもぉ? なぁんだ。ここのこと知ってるの陽菜だけだと思ってたのに」
「頑張って見つけてえらいね」
僕がよしよしと頭を撫でると、陽菜は嫌だ〜と逃げていく。
「子供扱いしないでよぉ!」
「だって実際子供だし」
「陽菜はもう14だし」
「僕はもう21だし。大人の医大生だぞ」
「あーあ、ついにはる兄もお医者さんになっちゃうのかぁ。怖いお医者さんは東条先生だけで十分なのになぁ」
「ハハ、治療は怖いかもしれないけど僕が医者になったら陽菜の喘息、もっと良くしてやるからな」
「うんっ! 陽菜は世界中を旅したいし、これからもやりたいことたくさんあるし、夢は超絶イケメンのお嫁さんだし? 病気に負けてる場合じゃないよね。だから、お兄ちゃん約束だよ?」
「分かった。陽菜が超絶イケメン連れてくるの、楽しみにしてる」
「まっかせて!!」
陽菜はガッツポーズをした。
その姿が眩しくて、希望とか夢とか、無限の可能性を秘めていた。
なのに、それはあっけなく終わる。
失ったものは、決して戻ってこない。
「このひまわり、倒れてる……」
「あぁ、直してあげなよ」
「ううん、もう引っこ抜く! 家に持って帰って切り花にする!! おいしょー!」
「あぁ、土まみれだぞ」
「アハハ!! 見て根っこすごい!」
でも最後くらい、賑やかがいいでしょう? うちいつもうるさいからおいで。そう、呟いていた。
陽菜、陽菜、陽菜。
陽菜は最後、沢山の機械に囲まれて僕しかそばにいられなくて、寂しかったね。
『約束だよ……私が居なくなっても……ちゃんとみんなを元気にするお医者さんになってね』
ねぇ、陽菜。
約束は守れてるかな。
医者として、人として、いまも僕は正しくいられてるか分からないよ。
でも、絶対に手を離したくない人が出来たよ。
君みたいにまっすぐだけど、君みたいに強くない。
だからこそ、僕が守ってやりたいんだ。
僕が、この手で、小夏を救いたい。
「はる兄、全力だよ!!」
陽菜の口ぐせ。
「全力でやってダメだったらさ。仕方ないってそう思うの。それでまた次頑張ろう。まだまだ大丈夫。まだまだ走れる。陽菜はそういう風に生きてきた」
うん。僕は永遠の夏のなか、君の背中を追いかけているよ。
僕の宝物。
どうか見守っていて。
「こぉら、陽菜。走るなって言っただろ」
「ごめぇん。だってお兄ちゃんに見せたかったんだもん」
澄みわたる青い夏の空の下、麦わら帽子を被った陽菜がいつもの笑顔で僕を呼んでいる。
僕の一番の宝物だった。
「見て、すごい数のひまわり!!」
「今年もすごく綺麗に咲いたね」
「えっここのこともう知ってたの?」
「和臣にも何度も連れてこられたし」
「かず兄にもぉ? なぁんだ。ここのこと知ってるの陽菜だけだと思ってたのに」
「頑張って見つけてえらいね」
僕がよしよしと頭を撫でると、陽菜は嫌だ〜と逃げていく。
「子供扱いしないでよぉ!」
「だって実際子供だし」
「陽菜はもう14だし」
「僕はもう21だし。大人の医大生だぞ」
「あーあ、ついにはる兄もお医者さんになっちゃうのかぁ。怖いお医者さんは東条先生だけで十分なのになぁ」
「ハハ、治療は怖いかもしれないけど僕が医者になったら陽菜の喘息、もっと良くしてやるからな」
「うんっ! 陽菜は世界中を旅したいし、これからもやりたいことたくさんあるし、夢は超絶イケメンのお嫁さんだし? 病気に負けてる場合じゃないよね。だから、お兄ちゃん約束だよ?」
「分かった。陽菜が超絶イケメン連れてくるの、楽しみにしてる」
「まっかせて!!」
陽菜はガッツポーズをした。
その姿が眩しくて、希望とか夢とか、無限の可能性を秘めていた。
なのに、それはあっけなく終わる。
失ったものは、決して戻ってこない。
「このひまわり、倒れてる……」
「あぁ、直してあげなよ」
「ううん、もう引っこ抜く! 家に持って帰って切り花にする!! おいしょー!」
「あぁ、土まみれだぞ」
「アハハ!! 見て根っこすごい!」
でも最後くらい、賑やかがいいでしょう? うちいつもうるさいからおいで。そう、呟いていた。
陽菜、陽菜、陽菜。
陽菜は最後、沢山の機械に囲まれて僕しかそばにいられなくて、寂しかったね。
『約束だよ……私が居なくなっても……ちゃんとみんなを元気にするお医者さんになってね』
ねぇ、陽菜。
約束は守れてるかな。
医者として、人として、いまも僕は正しくいられてるか分からないよ。
でも、絶対に手を離したくない人が出来たよ。
君みたいにまっすぐだけど、君みたいに強くない。
だからこそ、僕が守ってやりたいんだ。
僕が、この手で、小夏を救いたい。
「はる兄、全力だよ!!」
陽菜の口ぐせ。
「全力でやってダメだったらさ。仕方ないってそう思うの。それでまた次頑張ろう。まだまだ大丈夫。まだまだ走れる。陽菜はそういう風に生きてきた」
うん。僕は永遠の夏のなか、君の背中を追いかけているよ。
僕の宝物。
どうか見守っていて。


