キミのために一生分の恋を歌う② -last stage-

晴は車で私を家まで送ってくれて、お礼も兼ねてみんなで家でお茶することになった。
勿論、小春とすみちゃんも一緒だ。

「先生、どうぞ」
「ありがとう」
「いえいえ、ささやかなものですみません」
「いやほんとよくできた妹だよねぇ」
「お姉ちゃんったら」

小春が晴やみんなにお茶を出してくれて、私の大好きなお菓子もたくさんテーブルにのせてある。きっと退院するのを心待ちにしてくれてたんだよね。一人にして寂しかったよね。入院長くなっちゃって悪かったなぁ。後でちゃんと謝ろう。

「ところで先生、うちが作った衣装、試着しませんか」
「え? あーいや多分大丈夫。この間のもなんか最初からピッタリだったんだよね。不思議と」
「ゲリラライブの時のですか? あれは先生の姿見て大体採寸が決まったから、その日のうちに修正して小夏に渡しといたんですよ」
「いやほんとよくできた親友だよねぇ」
「そうでしょうそうでしょう」
「ていうかすごすぎだろう? 測らなくても分かるの?」
「大体シルエットで。諏訪野先生、背高いし。シルエット細いし1番作りやすいモデル体型だから」

ほぉー。晴はモデル体型なんだ。
よく分かんないけど私が褒められるより嬉しいな。

「あー、楽しみ! 明日は何を歌おうかな〜?」

私が悩んでると、え?という顔で3人が見てきて

「ほんとダメだこの小夏(お姉ちゃん)は」

と同時に言われた。

「え? なんで」
「まさかだけどお姉ちゃん、今から新曲とか言わないよね」
「いや、小夏なら言い出しかねないよ」

息するようにいつも新しい曲を歌ってるからと晴。
うんうんと頷くすみちゃん。
そこまでじゃないし。

「だってみんな受験生なんでしょう? 応援歌っぽい相応しい歌がいいかなと」
「無理無理。今からとか絶対無理だから」

まぁまぁちょっと待ってて。と私は自分の部屋に行き、とある曲の楽譜を持って戻ってくる。

「はいコレとかどう? 晴も小春も絶対音感あるし、余裕でしょ!」
「え、また書いたの〜お姉ちゃん。いつの間に」
「だって入院中暇だったし」
「暇ではないな。休むのも治療の一環なんだけど。僕の目を盗んでなにやってんの」
「だって、頼まれたとありゃね!」

ギロリと睨む晴。
はーる、顔怖いからね。少し落ち着いてと制す私。
すみちゃんは全てわかった風に笑ってた。