車は渋谷区に入り、賑やかな場所から少し外れた閑静な住宅街に。
まるでお祭りが終わってしまった後のような静けさと寂しさに包まれる。
その時、晴の声が響いた。
「着いたよ」
そこにはコンクリート打ちっぱなしの、なかなかオシャレだけどコンパクトな見た目のマンションがあった。
「ここ、僕が住んでる家」
晴はそういうと駐車場になっている1階部分に車を停めた。
そこは病院のすぐ側の立地で、私の家からも歩いて5分とかからない場所にあった。
「わぁ。ここが晴の家なんだ……来られてすごく嬉しい」
私は車を降りると、改めて噛みしめるように嬉しくなって、キョロキョロと周りを見渡してみた。
緑も程よく植えられたオシャレな雰囲気のマンションだ。
「小夏の家と違って、家は帰って寝るだけだから。1Kの狭い家だし何も期待しないでくれよ」
「広さとかどうでもいいよ。ここに晴がいるってことが大切なの」
「それならいい。じゃあ行こう。805だから。うち」
そう言うと、晴はオートロックをキーで解錠する。
エレベーターに乗り、家の前に来て改めて振り返った晴。
「ねぇ小夏」
「ん、何?」
晴はドアの前に立つ私を抑えこむようにして、壁に両手を当てながら言った。
「僕以外の男にはどれだけ誘われても、ひょこひょこ家の中になんて絶対入るなよ」
「そんなの分かってるよ」
「本当に分かってんのか?」
「ンっ……」
ドアの前に身体を押し付けられ、無理やりキスされる。
首元にも。跡が残っちゃうよ。
嫌なのに、少し怖いのに、でもどうしたって嫌じゃない。
私もう、おかしくなっちゃったのかな。
「は、晴……」
「ごめん。やりすぎた。とりあえず中に入って」
カチャリと閉まる鍵の音。
その時に、初めて私たちは本当の本当に2人きりになれた気がした。
まるでお祭りが終わってしまった後のような静けさと寂しさに包まれる。
その時、晴の声が響いた。
「着いたよ」
そこにはコンクリート打ちっぱなしの、なかなかオシャレだけどコンパクトな見た目のマンションがあった。
「ここ、僕が住んでる家」
晴はそういうと駐車場になっている1階部分に車を停めた。
そこは病院のすぐ側の立地で、私の家からも歩いて5分とかからない場所にあった。
「わぁ。ここが晴の家なんだ……来られてすごく嬉しい」
私は車を降りると、改めて噛みしめるように嬉しくなって、キョロキョロと周りを見渡してみた。
緑も程よく植えられたオシャレな雰囲気のマンションだ。
「小夏の家と違って、家は帰って寝るだけだから。1Kの狭い家だし何も期待しないでくれよ」
「広さとかどうでもいいよ。ここに晴がいるってことが大切なの」
「それならいい。じゃあ行こう。805だから。うち」
そう言うと、晴はオートロックをキーで解錠する。
エレベーターに乗り、家の前に来て改めて振り返った晴。
「ねぇ小夏」
「ん、何?」
晴はドアの前に立つ私を抑えこむようにして、壁に両手を当てながら言った。
「僕以外の男にはどれだけ誘われても、ひょこひょこ家の中になんて絶対入るなよ」
「そんなの分かってるよ」
「本当に分かってんのか?」
「ンっ……」
ドアの前に身体を押し付けられ、無理やりキスされる。
首元にも。跡が残っちゃうよ。
嫌なのに、少し怖いのに、でもどうしたって嫌じゃない。
私もう、おかしくなっちゃったのかな。
「は、晴……」
「ごめん。やりすぎた。とりあえず中に入って」
カチャリと閉まる鍵の音。
その時に、初めて私たちは本当の本当に2人きりになれた気がした。


