キミのために一生分の恋を歌う② -last stage-

そのリハーサルから2日後。再びよく晴れた夏の夕方。
私は同じようにステージに立っていた。
だけど今度はたくさんの聴いてくれる人たちがいる。
この中に、晴も、晴の家族も、ゆかさんや東条先生も聴いてくれている。

「小春さん、ちょっといいかな?」

晴はライブ前に小春を呼んで、何かを伝えていた。
小春はただ少し神妙な顔をして、頷いていた。

ナーバスになっている私には、敢えて何も言わず、ただその大きな身体で強く抱きしめてくれた。
晴の体温から、身体を貫くような愛情が伝わってきて、それだけでもう十分だった。



1曲目はリハーサル通りに無事に終わった。
大きな拍手に包まれて、本当に幸せな気持ちになる。
私はこの瞬間のために生まれてきたのだと改めて思った。


次は2曲目だ。


ーー2曲目の前に、みんなに質問です!
いま、好きな人がいる人〜〜?

半分くらい人たちが手を上げる。

あれ〜? 意外と少ないですねっ。
みなさん照れてるんですか?

と私が言うと、あちこちから笑い声がする。

じゃあ、質問を変えます。
て言うか、絶対みんな拍手してください!!

bihukaのことが好きな人〜?

当たり前のように、みんなが拍手してくれた。

あれれ〜? みんな好きな人いるじゃないですか!!
ありがとうございます!
好きって、多分恋だけじゃないと思うんです。
私の歌があなたの生きる日々の一部になって、力になれていること、本当に嬉しいです。
これは、私が今好きな人に教えてもらったんですけどね。

そういうと、どこかから「この間のイケメンだー!!」と声が聞こえてきたから。
思わず私は、手でハートマークを作ってそれに応えた。

キャーと黄色い声が返ってくる。


それじゃあ、2曲目はそんな大切な人に届けたい、この曲を聴いてくださいーー


bihuka’s live 0816
『Dearest -beyond the sea-』



1. 寄せては引いていく波のような ふたりの時間
ありふれた日々が宝物のようだね
ねえ この海の香り 心が弾ける風の音を覚えていて
僕たちを確かに繋いでる キズナがある

例えば 寂しさを盾にしてみても
苦しい思い出は消せなくて
例えば 優しさで君を包んでみても
楽しい思い出はすり抜けていくんだね

my dearest,beyond the sea--
だから今もこの音が響くんだ

don't waste precious time
有限だからこそ 僕たちは光り輝くんだ

今 この瞬間が愛しくて 抱きしめていたい
心から笑う君が 何より大切だってこと
いつか過ぎ去ってしまっても 思い出せるように

ここにイカリを下ろして 確かめてみて
僕たちは地図のない 海路を進もう
見失わなぬように 合図を送るから
だから涙は流さないで
dearest 僕は君に出会えてよかったーー


2. まだ少しあとちょっとだけと願うような ふたりの時間
刺すような足の痛み 恋と言うんだね
ねえ この海の光 心が踊るような時を覚えていて
私たちを寂しく照らしてる 運命がある

例えば 声を引き換えに愛しても
遠い君には別の人がいて
例えば 憎しみで君を貫こうとも
隣で笑うことはもう出来ないんだね

my dearest,beyond the sea--
だから消えるその瞬間まで愛を叫ぶの

don't waste precious time
有限だからこそ 私たち今 満たされてるの

今 この時だけは 誰にも邪魔させない
君の幸せが 私と交わらなくてもいいから
幸せを願い泡へと還るその時に 一番であれるように

ここに 残るものが 何か確かめてみて
おとぎ話の主役じゃない 私が私になれたから
海の中に溶けて からっぽになっても
愛する悲しみ 抱きしめているよ
dearest 私は君に会うために生まれてきたーー

「さようなら」なんて言わないで
「ありがとう」なんてもう苦しいよ
王子さまじゃない僕のこと
人魚姫でもない私のこと
ただもっと 最後まで 知ってほしかったよ

僕は(私は)君の中で生きていきたい
私は(僕は)君の中でひとつになりたい

海が君をさらっていくね
海が私を満たしていくね

痛みさえ愛おしい 止まらない時間を抱きしめているよ
願うなら 今度こそ この思いを未来へーー