キミのために一生分の恋を歌う② -last stage-

bihukaの1stライブのリハーサルが始まった。
私はマイクを持ち歌を、小春はキーボードとハーモニー担当でメインで舞台に立つ。
その他の楽器はバンド形式でお願いしたので、ステージに立つみんなの顔、スタッフの方たちを見つめる。
みんなが大切で、みんなもこの時間を大切にしてくれているのだと伝わってきた。

私はステージの真ん中に一人で立ち、目をつむって思い出してみる。
私がみんなからもらったたくさんのもののことをーー

晴からは、真っ直ぐな愛情を。
あの人からは、星の王子さまが一輪のバラを慈しむように人を想う重みを。
すみちゃんからは、前を向き続ける芯の強さを。
小春や晴の家族からは、家族の温かさを。
東条先生やゆかさんには、生きていく覚悟を。

ライブに関わってくれる人たち、ファンの人たちには感謝を。
私の周りにいてくれる、みんなが真っ直ぐに気持ちを伝えてくれたから。




ーーすべてをかけて、今度は私が返す番だ。




私が指をパチンと鳴らして合図をすると、一瞬の静寂の後、大きな音がして会場に雪が舞った。
私からみんなへ送る、サプライズプレゼント。



ふわりふわりと、舞い落ちるような思いたち。
今も降りしきる、こころ。
どうか届きますように。



少しの沈黙の後、ゆっくりと小さな音で前奏が流れ始める。



ーー舞う桜の花びらは 雪のようで 心揺れてしまうねーー



ーーこんにちは!! bihukaです!!
いま、私の声はみんなに届いてますか?
ありがとうございます。
1階の人、2、3階もみんなの顔、見えてるよ!!

今日という日を私も心から楽しみにしていました。
どうか、たくさん、たくさん、楽しんでいってください!!

今はまだ見えないお客さんに向けて、手を振った。

代わりに笑顔で手を振るみんなが居た。
晴も手を振ってくれているのが見えた。
私は笑顔で返して続ける。


もうきっと分かってくれているよね?
じゃあ、最初の曲、いくよ!!



『 God of the beginning 』



1. あなたが勇気をくれたから 私の世界 ひとつになった
まるで神様に会いたいと 願う気持ち
恋しくて 永遠になる

舞う桜の花びらは 雪のようで 心揺れてしまうね
風にそよいだ あなたの名前 瞳 心

きっと全部私が憶えている
繋いでいくから

この手を離さないで 聴いていて 私の声を
哀しい朝も 眠れない夜も
あなたがいるから意味がある
私の特別になる

あなたのために流す涙は 海になった
遠くまで 遠くまで
届けたい この気持ちーー


2. あなたが弱さを見せてくれたから 私の世界 優しくなった
神様なんて助けてくれない 脆く崩れる心
救うために 嘘だってつく

蕾のように固くとも 必ず 花開く時が来る
光の中降り注ぐ 私の祈り 声 記憶

きっと全部消えてしまうけど
いつかまた輝き出す

この手を離さないで 聴いていて 私の声を
ちぎれそうな胸の痛みも あふれる涙も
あなたがいるから その意味を知る
私の特別になる

あなたのために届けたい声は 今ここにある
遠くても 遠くても
伝えたい この気持ちーー


道に迷い 泣いた日々も無駄じゃなかったよね?
2人で見つけた あの近道に咲いていた花は
あなたの好きな香りだったよね?
私が世界を始められるなら
こんなに残酷なこと
世界なんてはじめから壊れていること
あなたに教えてあげられたのに

Don't forget everything, だから忘れずにいて
Don't hurt anything,  傷だらけな私たち
I can't do it anymore, あとすこしで終わるの
I'm going crazy もう元には戻れないから

だからお願い
この手を離さないで 信じていて 私の声をーー

世界の始まりはここにある
ちっぽけな命がまた生まれる
あなたは何も悪くないけど
生まれ落ちたことだけがあなたの意味だった

それが神様の始まり
絶望と希望の歯車が交わる
世界が始まる音が聴こえたんだーー