キミのために一生分の恋を歌う② -last stage-

「おい小夏っ!! 大丈夫か!?」

晴が肩を揺すり、心配そうな声で目を覚ました。
外はとても眩しく晴れていて、さっきまでの夜の方が夢だったんだとすぐに分かった。
晴の車の中で、眠ってたんだ。

でも夏だと言うのに、私の身体はとても冷たく震えていた。
呼吸も荒くて、息がしにくい。
勝手に涙まで溢れてきた。

「晴……ハァハァ……なんか……苦しいかも……」
「そのままゆっくり、深く呼吸をして。僕がいるから大丈夫。ちょっとごめん」

晴は脈をとり、聴診器を取りだした。
聴診が終わると、そのまま脈を測りながら背中をトントンと規則的に叩いてくれる。

「そのままゆっくり深呼吸を続けて。なにも喋らなくていいから、呼吸だけに集中して」

晴の言う通りにしていたら、5分くらいして息苦しさは収まった。
晴は念の為ともう一度聴診をしたが、こっちは大丈夫だねと言って直ぐに聴診は終わった。

「小夏、今のは喘息の発作じゃない。パニック発作だよ」
「パニック?」
「心の方がびっくりしちゃったんだね。何か怖い夢を見ちゃったのかな」
「……よく、覚えてない……」
「そうか。もう落ち着いてるから不安にならなくて大丈夫だよ」

私はまたその夢のことを思い出してしまいそうで、怖くて嘘をついてしまった。
そんな嘘。すぐ晴にはバレちゃうのに、晴は優しいから何も言ってこなかった。

「ほら、外を見て。小夏が寝てる間に、もうすぐ海に到着だよ」
「わぁ、海!!」
「大はしゃぎだな」

窓の外からはキラキラと輝く海が見えていた。

「早く行こっ!! だって海だよ海」
「はいはい、分かった。今駐車場とめるから」

晴は車の運転を再開し、近くの駐車場に車を停めてそこから2人で歩いて海に行くことにした。