キミのために一生分の恋を歌う② -last stage-

それから2日が経ち、8月14日。
私の初デート&初公式ライブのリハーサルの日がやってきた。晴の治療とリハビリのおかげで、私は大分体力が戻ってきてかなり調子がいい。
そして、あれから謝り倒したかいもあり、小春たちも機嫌を直してくれた。

「おはようー小夏!」
「お姉ちゃんおはよ」
「すみちゃん、小春! おはよう」
「頼まれたもの、一通り持ってきたよ」
「うちからは初デートにピッタリな服を進呈〜」
「2人ともほんとにありがとう!」

2人に手伝ってもらいながら着替えやメイクをしてると、ノックをしてゆかさんが入ってきた。

「おはよう、小夏ちゃん……ってあらあら! すっごい可愛くなってる」
「ゆかさん、諏訪野先生はまだ来てないですよね?」
「うん。私は検温に来ただけだよ。先生は9時くらいに迎えに来るって言ってた」
「じゃあ、お姉ちゃんの準備が完成するまでは、絶対に部屋に入れないように抑えといてください」
「うちらが小夏の準備ができたら声かけるので。ゆかさん、お願いします」
「分かった分かった。びっくりさせたいのね。いやぁ〜でもびっくりすると思うよ! ほんとに可愛いもん」
「ゆかさん……そんなに言われたら照れちゃうよ……」

と、私が答えると堪えきれなくなったゆかさんに強めのハグされる。
耳元でデートうまくいくようにおまじないといわれ、更に力を込められたので骨が折れちゃうかと思った。
そしていつも通り検温を済ませると、異常ないねと嬉しそうに言いニヤニヤしつつ出ていった。

「よし小夏、大体準備できたよ」
「ありがとう〜〜!!」

編み込みでまとめられた髪型に、海にピッタリな白いワンピース。少しヒールのあるサンダル。このままだと目立つから、麦わら帽子を被り、目の色だけは隠そうとカラーコンタクトをつけた。ネイルは薄いピンクにして。メイクもナチュラルめでまとめつつもハイライトでキラッとさせて、特別感を演出してくれている。
私の気持ちを汲んで、特別な日は特別な格好をしなきゃと、すみちゃんと小春が一生懸命に準備してくれた。

「最後にこれ、うちらからのプレゼント」
「お姉ちゃんにすごく似合うと思って」

そう言うと、右腕にブレスレットを付けてくれる。
右腕にはさっきまで入院患者のバンドが付いていたけれど、一時的にゆかさんが外してくれていた。

「やっぱり! 小夏にはこれが似合うと思った。入院患者のバンドなんて嫌だよね。マザーオブパールのブレスレット。海デートにぴったり」
「ほんと、キラキラしてて素敵だよ、お姉ちゃん」
「ありがとう!! 今日はこれをお守りにして頑張る」
「うん、本当に二人がうまくいってよかった。いい思い出をたくさん作ってくるんだよ」
「行ってらっしゃい、自信持ってね。今のお姉ちゃんは宇宙1可愛い!」
「そんな大げさな。でもうれしいよ。気を付けて行ってきます。あと2人とも忘れてると思うけど、夜からライブのリハーサルもちゃんと頑張るからね」
「いやいや、分かってるって!」
「お姉ちゃんの心配性」

それじゃあもう多分先生来てると思うし、ゆかさんに声かけてくるからと2人は手を振り病室を出ていく。
私は隠していた晴へのプレゼントが入った紙袋と自分のバッグを手に持った。
窓の外のよく晴れた青空を眺めながら、改めて2人の気持ちを無駄にしないように絶対頑張ろうと決意した。