キミのために一生分の恋を歌う② -last stage-

次の日、晴は朝7時には私の病室を訪れた。
まだ目の下にクマがはっきり残ってるし、白衣を着ている時にはいつも無い寝癖がついてる。

「⋯⋯ちゃんと居るな」
「晴、おはよう。ごめんね、私のせいで昨日上手く寝れなかったんだね」
「小夏が居るなら問題ない」

晴の方が私より体調悪そうと思いながら、ちょっとだけこっちに来てくれる? と私は手招きした。
晴に私のベッドサイドに座ってもらう。私は引き出しからヘアブラシとミストを出して、晴の髪を整えてあげた。
晴の髪の毛は私より少し硬くて、ツンツンしてて可愛い。

「悪い⋯⋯朝起きてそのままここ来たから」
「ううん、こっちこそごめんね」
「こら。もう終わったなら、ずっと髪を撫でるな」
「ふふ、だって晴の髪、こうして撫でたの思えばはじめてだったかもって。いつもさ、晴の方が背が高いし撫でられるのは私ばかり」
「僕は、小夏の身体が心配で。昨日ちゃんと診てやれなかったから……早く⋯⋯ちゃんと⋯⋯診てあげないと⋯⋯って」

晴の頭を続けて撫でていると、こっくりこっくりとだんだん顔が傾いていって、ついに私の肩にもたれかかってそのまま寝始めた。

「ありがとう⋯⋯大好きだよ」

晴の体をゆっくり寝かせて、布団をかけてあげる。
安心したようにスースーと寝息を立てる晴。
その子どもみたいに無垢な顔を見ていると、昨日のゆかさんの言葉が響く。

ーー始まったばかりの関係に、諏訪野先生もまだ迷ってるんだよ

「ごめんね。私たち、2人でゆっくり進んでこうね。晴」

私はまた晴の髪を撫で、こっそりほっぺたにキスをした。
ンン⋯⋯とくすぐったそうに寝言を言う晴。
私は晴がゆっくり休めるように、布団からそっと出て、近くの椅子に座り本を読むことにした。