こっぴどく怒られた。誰にって、夜中にも関わらず病院に駆け込んできた小春とすみちゃんにだ。
勤務時間が終わっても病院に残っていたゆかさんもカンカンである。
「小夏!! うちの従業員から『いまbihukaさん来てますよ』って電話もらって意味わかんなすぎて、すぐに諏訪野先生に電話したら病院抜け出したってほんと何考えてんのよ」
「そうだよお姉ちゃん。今回ばかりは簡単には許してあげられないんだから! 美容院の店長さんから『お姉さん今日は急に来てすごく体調悪そうだけどどうかしたの?』ってメッセージもらって。私だってすぐ諏訪野先生に確認しちゃったよ!」
「⋯⋯そんなに心配かけてたんだ、ごめんなさい」
申し訳ない。でもあちらからもこちらからも私の位置情報がダダ漏れてないかと思ってしまう。
「諏訪野先生、小夏ちゃんの様子がおかしいからって今日は院内で待機してるって。ずっと医局にいて。居なくなったと知ったら血相変えて病院を出ていったのよ! 心配かけたらダメ!! だけど⋯⋯」
「ゆかさん、そこでお姉ちゃんを甘やかしたらだめです!」
「でもこんなに可愛く髪型まで変えちゃって、手には健気に諏訪野先生へのプレゼントっぽいの持って帰ってくるんだもん。看護師としては怒りたいけど、恋する乙女の気持ちを責めたくないよ〜」
「とにかく小夏、なんでも一人で勝手に決めない! うちらに相談、できたよね?」
「初めてで。いっぱいいっぱいで⋯⋯でももう一人でしない。ごめんなさい」
「分かった。二度目はないからね。小春、タクシーで来たんでしょ? 夜遅いしうちの車で送ってく」
「ありがとう。じゃあお姉ちゃん、また明日来るから」
小春の顔もまだ怒ってて。明日も来るから逃げるんじゃないぞって書いてあった。
どうしたらいいか分からないまま、病室を出ていく2人を見送った。
「さて、私も帰るかな」
「ゆかさん、せっかく何も考えなくていいって私を励ましてくれたのに結局困らせちゃってごめん」
「困らせていいのよ」
ゆかさんはギュッと抱きしめてくれて、頭を撫でてくれた。
温かくて涙がまたあふれそうになる。
「小夏ちゃんは私の自慢の娘みたいなもんだし。いつも頑張ってるんだからたまに困らせてもらえると安心するくらいなの。でも諏訪野先生は小夏ちゃんにはすごく大人に見えてるかもしれないけどそうじゃない。まだ始まったばかりの関係に迷ってる。私には2人のことが分かるから。心配かけちゃだめ」
「はい⋯⋯」
「分かったならよし。とにかく小夏ちゃんが落ち着いてるしよかった。諏訪野先生は死んだ顔してたから今日はもう倒れないうちに無理やり帰らせたけど、明日来たらちゃんと謝ってあげてね」
私が弱く笑いながら頷くと、ゆかさんは満足したように帰って行った。
すごく無理やりに行動して、結果、もうあちこちにバレバレな上、たくさん心配かけてしまった。
ただ突っ走ってもダメなんだ。
それを身をもって知れてよかったのかもしれない。
これからはできるだけ空回りしないように考えていこう。
私には頼れる皆が居てくれる。
勤務時間が終わっても病院に残っていたゆかさんもカンカンである。
「小夏!! うちの従業員から『いまbihukaさん来てますよ』って電話もらって意味わかんなすぎて、すぐに諏訪野先生に電話したら病院抜け出したってほんと何考えてんのよ」
「そうだよお姉ちゃん。今回ばかりは簡単には許してあげられないんだから! 美容院の店長さんから『お姉さん今日は急に来てすごく体調悪そうだけどどうかしたの?』ってメッセージもらって。私だってすぐ諏訪野先生に確認しちゃったよ!」
「⋯⋯そんなに心配かけてたんだ、ごめんなさい」
申し訳ない。でもあちらからもこちらからも私の位置情報がダダ漏れてないかと思ってしまう。
「諏訪野先生、小夏ちゃんの様子がおかしいからって今日は院内で待機してるって。ずっと医局にいて。居なくなったと知ったら血相変えて病院を出ていったのよ! 心配かけたらダメ!! だけど⋯⋯」
「ゆかさん、そこでお姉ちゃんを甘やかしたらだめです!」
「でもこんなに可愛く髪型まで変えちゃって、手には健気に諏訪野先生へのプレゼントっぽいの持って帰ってくるんだもん。看護師としては怒りたいけど、恋する乙女の気持ちを責めたくないよ〜」
「とにかく小夏、なんでも一人で勝手に決めない! うちらに相談、できたよね?」
「初めてで。いっぱいいっぱいで⋯⋯でももう一人でしない。ごめんなさい」
「分かった。二度目はないからね。小春、タクシーで来たんでしょ? 夜遅いしうちの車で送ってく」
「ありがとう。じゃあお姉ちゃん、また明日来るから」
小春の顔もまだ怒ってて。明日も来るから逃げるんじゃないぞって書いてあった。
どうしたらいいか分からないまま、病室を出ていく2人を見送った。
「さて、私も帰るかな」
「ゆかさん、せっかく何も考えなくていいって私を励ましてくれたのに結局困らせちゃってごめん」
「困らせていいのよ」
ゆかさんはギュッと抱きしめてくれて、頭を撫でてくれた。
温かくて涙がまたあふれそうになる。
「小夏ちゃんは私の自慢の娘みたいなもんだし。いつも頑張ってるんだからたまに困らせてもらえると安心するくらいなの。でも諏訪野先生は小夏ちゃんにはすごく大人に見えてるかもしれないけどそうじゃない。まだ始まったばかりの関係に迷ってる。私には2人のことが分かるから。心配かけちゃだめ」
「はい⋯⋯」
「分かったならよし。とにかく小夏ちゃんが落ち着いてるしよかった。諏訪野先生は死んだ顔してたから今日はもう倒れないうちに無理やり帰らせたけど、明日来たらちゃんと謝ってあげてね」
私が弱く笑いながら頷くと、ゆかさんは満足したように帰って行った。
すごく無理やりに行動して、結果、もうあちこちにバレバレな上、たくさん心配かけてしまった。
ただ突っ走ってもダメなんだ。
それを身をもって知れてよかったのかもしれない。
これからはできるだけ空回りしないように考えていこう。
私には頼れる皆が居てくれる。